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少女
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とても暗い
雲が月を隠して
屋敷を一層幻想的にしている
その古い屋敷は
今はもう誰もいないらしい
森の中に佇む屋敷は
古めかしく
崩れるほどではないが
少しヒビが入っている様だ
重々しい扉を開けた先は
ホコリを被った本棚と
食べれるか分からない
黒いりんごと青いぶどうが
乗った皿がいくつか置いてある
やわらかい光が
映したのは
1人の人間...
いや、人間の姿をした悪魔だ
赤紫色の一人用ソファに
腰をかけて
分厚い本を読んでいる
赤い目に
色白の肌
赤い液体が付着した
桃色の髪
遠くから見れば
赤と桃色のグラデーションに見えるかもしれない
彼は今日も
独りで淡々と本を読み続けていた
来客なんて来る予定はない
狩人が軽い気持ちで入れる様な空気もない
重々しい空気が包む屋敷は
今宵も静かに夜を過ごす
悪魔も、そう思っていただろう
【コンコンコン】
屋敷の重々しい扉が鳴る
その音に悪魔は少し身を起こす
「だ、誰かいますか!」
小さい子供の声
少し怯えた様な震えた声色で
屋敷の中に人が居るかを問う
悪魔は面倒臭さそうに
ゆっくりと立つ
「あ、あの...」
可愛らしい声だが
悪魔は興味をあまり示さなかった
【ギィィィィ...】
扉が開き、悪魔の視界に子供...
少女の姿が写った
「ひっ...あ...」
少女が少し上を見上げて驚く
「...」
悪魔は少女と目と合わせる
「...誰だ、お前」
低い声が響く
その声に少女はビクッと方を震わせた
「.....ルリって言うの...迷っちゃった...」
ルリと名乗る少女は
涙を溜めた目で悪魔を見つめた
雲が月を隠して
屋敷を一層幻想的にしている
その古い屋敷は
今はもう誰もいないらしい
森の中に佇む屋敷は
古めかしく
崩れるほどではないが
少しヒビが入っている様だ
重々しい扉を開けた先は
ホコリを被った本棚と
食べれるか分からない
黒いりんごと青いぶどうが
乗った皿がいくつか置いてある
やわらかい光が
映したのは
1人の人間...
いや、人間の姿をした悪魔だ
赤紫色の一人用ソファに
腰をかけて
分厚い本を読んでいる
赤い目に
色白の肌
赤い液体が付着した
桃色の髪
遠くから見れば
赤と桃色のグラデーションに見えるかもしれない
彼は今日も
独りで淡々と本を読み続けていた
来客なんて来る予定はない
狩人が軽い気持ちで入れる様な空気もない
重々しい空気が包む屋敷は
今宵も静かに夜を過ごす
悪魔も、そう思っていただろう
【コンコンコン】
屋敷の重々しい扉が鳴る
その音に悪魔は少し身を起こす
「だ、誰かいますか!」
小さい子供の声
少し怯えた様な震えた声色で
屋敷の中に人が居るかを問う
悪魔は面倒臭さそうに
ゆっくりと立つ
「あ、あの...」
可愛らしい声だが
悪魔は興味をあまり示さなかった
【ギィィィィ...】
扉が開き、悪魔の視界に子供...
少女の姿が写った
「ひっ...あ...」
少女が少し上を見上げて驚く
「...」
悪魔は少女と目と合わせる
「...誰だ、お前」
低い声が響く
その声に少女はビクッと方を震わせた
「.....ルリって言うの...迷っちゃった...」
ルリと名乗る少女は
涙を溜めた目で悪魔を見つめた
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