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三歳の誕生日③
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二人が着るドレスが無事に決まった。
元々アマンダが淡いパープルのドレスを好んで着ていることから、ジュリアが淡いブルーでソフィアが淡いピンクの色のドレスに決まった。
二人のドレスのデザインは、ソフィアには尻尾があることから、少し違うデザインになった。
身体のサイズもソフィアがジュリアより小さいので、ジュリアの方がよりお姉さんっぽいデザインにすることになったのだ。
双子の誕生日会を一週間後に控えた日。
いつものように庭で双子が遊んでいる。
一歳の誕生日が過ぎた頃、芝生の庭に遊具が設置され、より双子が庭遊びをできるようになった。
最近は、二人一緒に遊ぶというよりは、それぞれ別々に遊んでいる。それぞれの世話人と護衛役が遊び相手となって庭遊びをしている状態だ。
「危ないっ!」
ハリーとリリーがソフィアの前に飛び出してくる。
ちょうどソフィアが庭を走り回っていたのだが、そこに子犬らしきものがソフィアの前に走ってきたのだ。
警備犬も放たれ警備兵もいる、こんな頑丈な守りの公爵家の庭にどこから入り込めるのか?不思議なものだが、警備犬のハリーやリリーとは違った見た目の犬のようなものが、ハリーやリリー、護衛役に睨まれながらソフィアの前にきちんとお座りしている。
「わんちゃん、わんちゃん!」
ソフィアが怖がっている様子はないようだ。
ハリーやリリーも犬のようものを睨んではいるが、排除行動にでない。
(この子、私のそばにいつもいてくれた子だ!)
「いけません!ソフィア様!」
「だいじょーぶよ。わんちゃん、いいこいいこなの。」
ソフィアは自分から犬のようなものに近づき、その子を抱き上げる。
ハリーとリリーがそんなソフィアの行動を見守っているからか、世話人や護衛役は警戒を怠らないがどう行動すればいいかわからない。
「わんちゃん、そふぃ、いっしょなの。そふぃのよ。」
(この子はまた私のところに来てくれた!)
そんな様子を見ていたジュリアの世話人が屋敷に駆け込んで、慌ててアマンダに報告する。
それを聞いたアマンダが慌てて庭に走ってくるのがソフィアから見えた。
「ソフィアっ!」
アマンダはドレスが汚れるのも構わず、芝生の上に膝をつき犬のようなものごとソフィアを抱きしめる。
「おかーさま。わんちゃん、そふぃといっしょなの。いっしょいるの。」
ソフィアの無事を確認して、ソフィアの顔を撫でながらアマンダはソフィアの言うことを聞く。
「ソフィアはこの子を知っているの?」
「わんちゃん、そふぃのなの。そふぃといっしょ、いてくれるの。」
「そう、そうなのね。この子はソフィアと一緒にいてくれる子なのね。じゃあ、しっかりお世話をしなくちゃね。お母様がこの子を少し預かってもいいかしら?この子もキレイキレイしなくちゃ、おうちに入れないわ。」
「わんちゃん、めっしない?」
「えぇ、しないわ。だから、お母様に渡してくれる?」
「うん、どーぞ。」
アマンダは犬のようなものをソフィアから受け取って使用人に託す。ソフィアに聞こえないように「急いでレオに報告して。そしてこの子を大切に扱ってね。」と指示をする。
「ソフィアもジュリアもそろそろお外遊びをお終いにしておやつの時間にしましょうか。」
アマンダはソフィアとジュリアの手を引いて屋敷内に入っていく。
元々アマンダが淡いパープルのドレスを好んで着ていることから、ジュリアが淡いブルーでソフィアが淡いピンクの色のドレスに決まった。
二人のドレスのデザインは、ソフィアには尻尾があることから、少し違うデザインになった。
身体のサイズもソフィアがジュリアより小さいので、ジュリアの方がよりお姉さんっぽいデザインにすることになったのだ。
双子の誕生日会を一週間後に控えた日。
いつものように庭で双子が遊んでいる。
一歳の誕生日が過ぎた頃、芝生の庭に遊具が設置され、より双子が庭遊びをできるようになった。
最近は、二人一緒に遊ぶというよりは、それぞれ別々に遊んでいる。それぞれの世話人と護衛役が遊び相手となって庭遊びをしている状態だ。
「危ないっ!」
ハリーとリリーがソフィアの前に飛び出してくる。
ちょうどソフィアが庭を走り回っていたのだが、そこに子犬らしきものがソフィアの前に走ってきたのだ。
警備犬も放たれ警備兵もいる、こんな頑丈な守りの公爵家の庭にどこから入り込めるのか?不思議なものだが、警備犬のハリーやリリーとは違った見た目の犬のようなものが、ハリーやリリー、護衛役に睨まれながらソフィアの前にきちんとお座りしている。
「わんちゃん、わんちゃん!」
ソフィアが怖がっている様子はないようだ。
ハリーやリリーも犬のようものを睨んではいるが、排除行動にでない。
(この子、私のそばにいつもいてくれた子だ!)
「いけません!ソフィア様!」
「だいじょーぶよ。わんちゃん、いいこいいこなの。」
ソフィアは自分から犬のようなものに近づき、その子を抱き上げる。
ハリーとリリーがそんなソフィアの行動を見守っているからか、世話人や護衛役は警戒を怠らないがどう行動すればいいかわからない。
「わんちゃん、そふぃ、いっしょなの。そふぃのよ。」
(この子はまた私のところに来てくれた!)
そんな様子を見ていたジュリアの世話人が屋敷に駆け込んで、慌ててアマンダに報告する。
それを聞いたアマンダが慌てて庭に走ってくるのがソフィアから見えた。
「ソフィアっ!」
アマンダはドレスが汚れるのも構わず、芝生の上に膝をつき犬のようなものごとソフィアを抱きしめる。
「おかーさま。わんちゃん、そふぃといっしょなの。いっしょいるの。」
ソフィアの無事を確認して、ソフィアの顔を撫でながらアマンダはソフィアの言うことを聞く。
「ソフィアはこの子を知っているの?」
「わんちゃん、そふぃのなの。そふぃといっしょ、いてくれるの。」
「そう、そうなのね。この子はソフィアと一緒にいてくれる子なのね。じゃあ、しっかりお世話をしなくちゃね。お母様がこの子を少し預かってもいいかしら?この子もキレイキレイしなくちゃ、おうちに入れないわ。」
「わんちゃん、めっしない?」
「えぇ、しないわ。だから、お母様に渡してくれる?」
「うん、どーぞ。」
アマンダは犬のようなものをソフィアから受け取って使用人に託す。ソフィアに聞こえないように「急いでレオに報告して。そしてこの子を大切に扱ってね。」と指示をする。
「ソフィアもジュリアもそろそろお外遊びをお終いにしておやつの時間にしましょうか。」
アマンダはソフィアとジュリアの手を引いて屋敷内に入っていく。
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