蟻の苦悩
蟻の女王はグルメだった。だから貯蔵しているまずい食料では我慢できず、働き蟻は苦悩していた。そんな中、一匹の蟻が『飴』を謙譲してご満足いただこうと提案する。
この物語は、そんな女王蟻が満足するまでのお話。
蟻は目が見えないけど、この物語はフィクションなので悪しからず。
この物語は、そんな女王蟻が満足するまでのお話。
蟻は目が見えないけど、この物語はフィクションなので悪しからず。
あなたにおすすめの小説

赤い部屋
ねむたん
ホラー
築五十年以上。これまで何度も買い手がつきかけたが、すべて契約前に白紙になったという。
「……怪現象のせい、か」
契約破棄の理由には、決まって 「不審な現象」 という曖昧な言葉が並んでいた。
地元の人間に聞いても、皆一様に口をつぐむ。
「まぁ、実際に行って確かめてみりゃいいさ」
「そうだな……」

終の匣
凜
ホラー
父の転勤で宮下家はある田舎へ引っ越すことになった。見知らぬ土地で不安に思う中、町民は皆家族を快く出迎えた。常に心配してくれ、時には家を訪ねてくれる。通常より安く手に入った一軒家、いつも笑顔で対応してくれる町民たち、父の正志は幸運なくじを引き当てたと思った。
しかし、家では奇妙なことが起こり始める。後々考えてみれば、それは引っ越し初日から始まっていた。
親切なのに、絶対家の中には入ってこない町民たち。その間で定期的に回されている謎の巾着袋。何が原因なのか、それは思いもよらない場所から見つかった。
ママが呼んでいる
杏樹まじゅ
ホラー
鐘が鳴る。夜が来る。──ママが彼らを呼んでいる。
京都の大学に通う九条マコト(くじょうまこと)と恋人の新田ヒナ(あらたひな)は或る日、所属するオカルトサークルの仲間と、島根にあるという小さな寒村、真理弥村(まりやむら)に向かう。隠れキリシタンの末裔が暮らすというその村には百年前まで、教会に人身御供を捧げていたという伝承があるのだった。その時、教会の鐘が大きな音を立てて鳴り響く。そして二人は目撃する。彼らを待ち受ける、村の「夜」の姿を──。