召喚されたのは、最強の俺でした。~魔王の代理となって世界を支配します~

こへへい

文字の大きさ
上 下
44 / 87
<五章:信じよ>

寝台列車は降りるまで気を付けて

しおりを挟む
 ペタブヨウ。その本丸へ行く前に、まずはどのような会社なのかを調べてみた。

「ええと、お、ぉーけー、プープル」

「ダメダメ、確かに恥ずかしいのはわかるけどちゃんと声張らないと!」

 うーむ、一度この杖による検索魔法というのを使ってみたかったので、神官の女子に渡したマイクロ杖に声を当ててみたのだが。こういうの人が見ている前でやるにはハードルが高いな。

「オーケープープル、ペタブヨウについて教えて」

 意を決し再度問いかける。するとマイクロ杖の先が光り出し、次のように語ってくれた。

 『ペタブヨウ(PetaBuyou)は、ハーモニーメドウのテクノロジー企業であり、世界的なインターネット企業です。XXXX年に、ミナミミナによって設立されました。ペタブヨウは、さまざまなアプリケーションやプラットフォームを提供しており、特に注目を集めているのは「PriesTok(プリーストック)」と呼ばれるショートビデオプラットフォームです。

PriesTok(プリーストック)は、ユーザーが短い動画を作成し、共有するためのプラットフォームであり、世界中で非常に人気を博しています。ペタブヨウは、アルゴリズムに基づいたコンテンツ推薦機能を駆使して、ユーザーに適したコンテンツを提供し、プラットフォームの成長を促進しています。

また、ペタブヨウはその他にも、ニュースアプリ「Tiaotou(ティアオトウ)」や、ハーモニーメドウ市場向けのソーシャルメディアプラットフォーム「Yindou(インドウ)」など、さまざまな分野でサービスを提供しています。企業全体として、MI(魔術知能)技術を駆使してユーザーに適したコンテンツを提供することが特徴です。』

「ね? なかなか凄いでしょ?」

 と神官の女子が胸を張る。お前が偉そうにすることでもないと思うのだが。
 しかし、世界的なインターネット企業とな。つーかインターネットが形成されていたのかこの世界。まぁ動画配信ってのができるのだから、どっかにサーバーがあってそこから配信しているのだろうが。
 更に、魔術知能技術によるユーザーに適したコンテンツ提供が特徴、か。人をダメにするサービスをガンガン盛り込んでないか? 需要があるのは良いことなんだろうが。

 アブさんとの攻防、烏合の執行人へのスパーリングに加えてこの色んな新情報。流石に頭がどうにかなりそうだった。

「く、流石に今日は休憩入れた方が良いな。日が昇ったとはいえ、流石に俺も体力の限界だ」

「そうじゃの、じゃがここいらで休めるところと言えば作者さんの家じゃが」そう言って視線をやる。作者の家は玄関前がベコっと凹み、その影響で地面が斜めになっていた。このアンバランスな建物に入って寝泊りするというのは、勇ましきにあらず、愚かしや。

「なら寝台列車で行けばいいじゃない? 休めるし駅弁もあるわよ!」

「そんなんもあんのかよ、それで行けるなら行きたいな」

「いいのぉ列車! 一度行ってみたかったのじゃ!」

 魔王は見た目に反せず、楽しそうに腕をブンブンと振ってワクワクを表現していた。そういえばこいつ何歳なんだろう。見た目に精神年齢引っ張られてる節があるよな。

 と言うわけで。俺たちは次なる目的地、ハーモニーメドウへ向かうのだった。寝台列車の予約も杖で一発だった。便利な世の中なもんだ。

 * * *

 トースターからバスで数十分。ちょっと大きな町に着くと、そこにはトースターよりも開発の進んだ街並みが広がっていた。建物が大きいし、ショッピングモールとかもある。東京の中心から少しずれた辺りに少しにていた。

 そこには寝台列車の線路が通っており、ここに来たのもそれが理由だったのだ。駅のホームでは駅弁や軽食を販売する店があり、神官の女子が三人前の弁当を注文する。

「牛魔肉のステーキ重よ! お部屋は言った時食べましょ!」

 嬉々として弁当を持ってきた。注文を待つ間この開発されていた町の人々を眺めていたのだが、どうにも、杖のプロジェクターを見ている人が多い。『歩き杖は止めてください!』とか張り紙があったくらいだもんな。って、杖ってバランス崩れないように支えるのが本来の目的だよな?

 またしばらく列車を待つと、焦げ茶色で重工な鉄の塊が遠くで金切声を上げる。散る火花はやがて止み、目の前で止まった。
 漸く休める。電車の振動はお母さんのおなかの中での振動と似ているらしいので睡眠を誘発させやすいと聞いたことがあったので、良く熟睡できそうだ。と思っていると。

「いやー、すごかったねゴナソくん、まるで新二みたいな推理だったよ!」

「そんなぁ、新二にいちゃんにこっそり電話でアドバイス聞いてただけだよ!」

 という会話や。

「あーあ、もうマジシャンやサーカスはこりごりだよ。明智巡査もねちっこいし」

おわりちゃん、そんなこと言っちゃだめだよ」

「そうだぞ銀田一、明智巡査がいたお陰で今回の事件が解決できたんだからな」

「そりゃそうなんだけどさ盾持のおっちゃん、でも俺一人でも……」

 という会話が耳に入った。



 ……っぶねぇ。降りた!? 降りたよね!? あの死神達!

 ちゃんと駅の出口へ歩いていくのを念入りに確認し、「おーい、ドア閉まっちゃうわよー?」と言われようが「マジ待って! 絶対に来ないことを確信させて!」と懇願して10秒後、冷や汗だらだらで寝台列車に入るのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。

秋田ノ介
ファンタジー
  88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。  異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。  その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。  飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。  完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。  

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

素材採取家の異世界旅行記

木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。 可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。 個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。 このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。 この度アルファポリスより書籍化致しました。 書籍化部分はレンタルしております。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

処理中です...