召喚されたのは、最強の俺でした。~魔王の代理となって世界を支配します~

こへへい

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<五章:信じよ>

寝台列車は降りるまで気を付けて

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 ペタブヨウ。その本丸へ行く前に、まずはどのような会社なのかを調べてみた。

「ええと、お、ぉーけー、プープル」

「ダメダメ、確かに恥ずかしいのはわかるけどちゃんと声張らないと!」

 うーむ、一度この杖による検索魔法というのを使ってみたかったので、神官の女子に渡したマイクロ杖に声を当ててみたのだが。こういうの人が見ている前でやるにはハードルが高いな。

「オーケープープル、ペタブヨウについて教えて」

 意を決し再度問いかける。するとマイクロ杖の先が光り出し、次のように語ってくれた。

 『ペタブヨウ(PetaBuyou)は、ハーモニーメドウのテクノロジー企業であり、世界的なインターネット企業です。XXXX年に、ミナミミナによって設立されました。ペタブヨウは、さまざまなアプリケーションやプラットフォームを提供しており、特に注目を集めているのは「PriesTok(プリーストック)」と呼ばれるショートビデオプラットフォームです。

PriesTok(プリーストック)は、ユーザーが短い動画を作成し、共有するためのプラットフォームであり、世界中で非常に人気を博しています。ペタブヨウは、アルゴリズムに基づいたコンテンツ推薦機能を駆使して、ユーザーに適したコンテンツを提供し、プラットフォームの成長を促進しています。

また、ペタブヨウはその他にも、ニュースアプリ「Tiaotou(ティアオトウ)」や、ハーモニーメドウ市場向けのソーシャルメディアプラットフォーム「Yindou(インドウ)」など、さまざまな分野でサービスを提供しています。企業全体として、MI(魔術知能)技術を駆使してユーザーに適したコンテンツを提供することが特徴です。』

「ね? なかなか凄いでしょ?」

 と神官の女子が胸を張る。お前が偉そうにすることでもないと思うのだが。
 しかし、世界的なインターネット企業とな。つーかインターネットが形成されていたのかこの世界。まぁ動画配信ってのができるのだから、どっかにサーバーがあってそこから配信しているのだろうが。
 更に、魔術知能技術によるユーザーに適したコンテンツ提供が特徴、か。人をダメにするサービスをガンガン盛り込んでないか? 需要があるのは良いことなんだろうが。

 アブさんとの攻防、烏合の執行人へのスパーリングに加えてこの色んな新情報。流石に頭がどうにかなりそうだった。

「く、流石に今日は休憩入れた方が良いな。日が昇ったとはいえ、流石に俺も体力の限界だ」

「そうじゃの、じゃがここいらで休めるところと言えば作者さんの家じゃが」そう言って視線をやる。作者の家は玄関前がベコっと凹み、その影響で地面が斜めになっていた。このアンバランスな建物に入って寝泊りするというのは、勇ましきにあらず、愚かしや。

「なら寝台列車で行けばいいじゃない? 休めるし駅弁もあるわよ!」

「そんなんもあんのかよ、それで行けるなら行きたいな」

「いいのぉ列車! 一度行ってみたかったのじゃ!」

 魔王は見た目に反せず、楽しそうに腕をブンブンと振ってワクワクを表現していた。そういえばこいつ何歳なんだろう。見た目に精神年齢引っ張られてる節があるよな。

 と言うわけで。俺たちは次なる目的地、ハーモニーメドウへ向かうのだった。寝台列車の予約も杖で一発だった。便利な世の中なもんだ。

 * * *

 トースターからバスで数十分。ちょっと大きな町に着くと、そこにはトースターよりも開発の進んだ街並みが広がっていた。建物が大きいし、ショッピングモールとかもある。東京の中心から少しずれた辺りに少しにていた。

 そこには寝台列車の線路が通っており、ここに来たのもそれが理由だったのだ。駅のホームでは駅弁や軽食を販売する店があり、神官の女子が三人前の弁当を注文する。

「牛魔肉のステーキ重よ! お部屋は言った時食べましょ!」

 嬉々として弁当を持ってきた。注文を待つ間この開発されていた町の人々を眺めていたのだが、どうにも、杖のプロジェクターを見ている人が多い。『歩き杖は止めてください!』とか張り紙があったくらいだもんな。って、杖ってバランス崩れないように支えるのが本来の目的だよな?

 またしばらく列車を待つと、焦げ茶色で重工な鉄の塊が遠くで金切声を上げる。散る火花はやがて止み、目の前で止まった。
 漸く休める。電車の振動はお母さんのおなかの中での振動と似ているらしいので睡眠を誘発させやすいと聞いたことがあったので、良く熟睡できそうだ。と思っていると。

「いやー、すごかったねゴナソくん、まるで新二みたいな推理だったよ!」

「そんなぁ、新二にいちゃんにこっそり電話でアドバイス聞いてただけだよ!」

 という会話や。

「あーあ、もうマジシャンやサーカスはこりごりだよ。明智巡査もねちっこいし」

おわりちゃん、そんなこと言っちゃだめだよ」

「そうだぞ銀田一、明智巡査がいたお陰で今回の事件が解決できたんだからな」

「そりゃそうなんだけどさ盾持のおっちゃん、でも俺一人でも……」

 という会話が耳に入った。



 ……っぶねぇ。降りた!? 降りたよね!? あの死神達!

 ちゃんと駅の出口へ歩いていくのを念入りに確認し、「おーい、ドア閉まっちゃうわよー?」と言われようが「マジ待って! 絶対に来ないことを確信させて!」と懇願して10秒後、冷や汗だらだらで寝台列車に入るのだった。
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