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25話 【ユリウスside】ロイのやつを呼び戻してやることにしよう
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”黒き炎”は2頭目のグレイウルフの討伐に失敗し、なんとか街まで逃げ帰ってきた。リーダーとしての指示を無視されたユリウスは、最初は怒り心頭であった。しかし逃げる際に頭が冷えてきた。結果的には、この撤退の判断は正解だったのだろうと認識をあらためたのである。
「ちっ。それにしても、グレイウルフごときでここまで手こずるとはな……」
ユリウスがそう言う。1頭目は無事に討伐した。しかし2頭目に手こずり、逃亡を余儀なくされた。
「やっぱり、ロイ先輩がいないとダメなんだと思います」
「バカを言うな。あの無能がなんだと言うのだ」
シオンの言葉に、ユリウスがそう返す。
「ユリウスさん。それに皆さんは、ロイ先輩を過小評価していると思います。ロイ先輩の支援魔法は一級品です」
「ううむ。確かに、ロイがいなくなってからだ。吾輩たちの調子が落ちたのは」
「その通りですね。もしかすると、認識をあらためる必要があるのかもしれません」
シオンの言葉に、ガレンとルフレがそう言う。
「そう……ですわね。あまり認めたくはありませんが……」
「ちっ。俺は到底信じられんな。しかし、お前たちがそう言うのであれば、物は試しだ」
ユリウスが何かを思いついた顔をして、そう言う。
「ロイのやつを呼び戻してやることにしよう。泣いて喜ぶだろう。早馬で前の街まで戻って連れてこれば、次の護衛任務にもギリギリ間にあうはずだ」
ユリウスがそう言う。
「それはいい考えである! 吾輩たちの不調の原因がロイの不在のせいかどうか、それではっきりするのである!」
「そうですわね。それで、連れ戻す役はだれが?」
ガレンとリサがそう言う。
「そうだな。万が一間に合わなかった場合は、残ったメンバーで護衛任務を行う必要がある。それを考えると、戻るメンバーは1人だけがいい。……ルフレ、頼めるか?」
ユリウスがメンバーを一考し、そう言う。リーダーであるユリウス自身はこの街に残ったほうがいい。攻撃魔法士のリサ、弓士のシオンは、ソロで移動するのは少し危険だ。魔物や盗賊との戦闘になったときの危険度が大きい。
となると、斧使いのガレンか槍士のルフレの2人が候補となる。ガレンは脳筋であり交渉事には不向きなので、ユリウスはルフレを指名した。
「了解しました。まあ、楽な仕事です。ロイのやつは、泣いて喜ぶでしょう。自分にお任せを」
ルフレがそう言う。さっそく旅支度を整え、前の街に向けて出発することになった。はたして、彼らのパーティにロイは戻ってくるのだろうか。
「ちっ。それにしても、グレイウルフごときでここまで手こずるとはな……」
ユリウスがそう言う。1頭目は無事に討伐した。しかし2頭目に手こずり、逃亡を余儀なくされた。
「やっぱり、ロイ先輩がいないとダメなんだと思います」
「バカを言うな。あの無能がなんだと言うのだ」
シオンの言葉に、ユリウスがそう返す。
「ユリウスさん。それに皆さんは、ロイ先輩を過小評価していると思います。ロイ先輩の支援魔法は一級品です」
「ううむ。確かに、ロイがいなくなってからだ。吾輩たちの調子が落ちたのは」
「その通りですね。もしかすると、認識をあらためる必要があるのかもしれません」
シオンの言葉に、ガレンとルフレがそう言う。
「そう……ですわね。あまり認めたくはありませんが……」
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ユリウスが何かを思いついた顔をして、そう言う。
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ユリウスがそう言う。
「それはいい考えである! 吾輩たちの不調の原因がロイの不在のせいかどうか、それではっきりするのである!」
「そうですわね。それで、連れ戻す役はだれが?」
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「そうだな。万が一間に合わなかった場合は、残ったメンバーで護衛任務を行う必要がある。それを考えると、戻るメンバーは1人だけがいい。……ルフレ、頼めるか?」
ユリウスがメンバーを一考し、そう言う。リーダーであるユリウス自身はこの街に残ったほうがいい。攻撃魔法士のリサ、弓士のシオンは、ソロで移動するのは少し危険だ。魔物や盗賊との戦闘になったときの危険度が大きい。
となると、斧使いのガレンか槍士のルフレの2人が候補となる。ガレンは脳筋であり交渉事には不向きなので、ユリウスはルフレを指名した。
「了解しました。まあ、楽な仕事です。ロイのやつは、泣いて喜ぶでしょう。自分にお任せを」
ルフレがそう言う。さっそく旅支度を整え、前の街に向けて出発することになった。はたして、彼らのパーティにロイは戻ってくるのだろうか。
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