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14話 ロイの歓迎会
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剣士ニナとの模擬試合。何とか合格をもらうことができた。
「よし。これで、俺を君たちのパーティに入れてもらえるということでいいんだよな?」
「はい。歓迎するのです。わたしとニナ、それにもう1人の3人パーティなのです。ロイさんが加わって、4人パーティになるのです」
「ふん! まあ、これで標準的な人数のパーティになったというところね。ちょうどよかったわ」
ニナがそう言う。冒険者パーティは、一般的に4~6人くらいが適切だとされている。3人や7人パーティもそれなりに見るし、まだ許容範囲だ。俺の前のパーティ”黒き炎”は、俺を入れて6人パーティだった。
「ええと。俺が支援魔法士。ミーシャがレンジャー。ニナが剣士。それで、あと1人は……」
「あとは、魔法闘士なのです。彼女とは一時的に行動を別にしているので、またいずれ紹介するのです」
魔法闘士。魔法使いでありながら、格闘を並用するかなりめずらしい職業だ。ユリウスの魔法剣士もめずらしいが、魔法闘士はそれ以上にめずらしい。俺も、実際に見たことはない。その人に会うのが楽しみだな。
「さあ、もう日も暮れ始めているわ。明日以降の活動に備えて、休みましょう」
「そうだな」
「その前に、みんなでご飯を食べようなのです。ロイさんの歓迎会を兼ねて、たくさん食べるのです」
「ミーシャは、自分がたくさん食べたいだけでしょ。ま、食事にいくのは反対はしないけどね」
「俺もぜひ参加させてもらおう」
俺、ミーシャ、ニナ。3人で、街の酒場に繰り出す。彼女たちのオススメの酒場だ。
「かんぱーい!」
「「かんぱーい!」」
酒をどんどん飲んでいく。無事に再就職先のパーティも決まったし、酒がうまい! 3人でどんどん飲み食いしながら、雑談をする。
「それにしても、ロイさんがうちに加入してくれて本当に助かるのです。期待しているのです」
「ふん! まあまあね。実戦でのお手並みを拝見させてもらうわ」
「ああ。期待に応えられるよう、全力を尽くそう。……今までは、どんな戦闘スタイルのパーティだったんだ?」
俺は支援魔法士。パーティ内の戦闘スタイルはしっかりと把握しておかないといけない。
「わたしが索敵をして、ニナともう1人で特攻して討伐する感じなのです」
「そりゃまた、ずいぶんと脳筋……ゲフン! いや、素直でストレートな戦闘スタイルだな」
「ふん! まあ、私の実力なら、そんじょそこらの魔物なんて敵じゃないわよ!」
ニナが言うことにも一理ある。確かに彼女の実力であれば、生半可な魔物は相手にならないだろう。
しかし、それにも限界はある。中級以上の魔物を安定して狩ろうと思えば、後方支援はほぼ必須だ。支援魔法士である俺の加入は、うぬぼれではなくて彼女たちに足りない要素を補うことができそうだ。明日以降の狩りで、全力を尽くしていくことにしよう。
「よし。これで、俺を君たちのパーティに入れてもらえるということでいいんだよな?」
「はい。歓迎するのです。わたしとニナ、それにもう1人の3人パーティなのです。ロイさんが加わって、4人パーティになるのです」
「ふん! まあ、これで標準的な人数のパーティになったというところね。ちょうどよかったわ」
ニナがそう言う。冒険者パーティは、一般的に4~6人くらいが適切だとされている。3人や7人パーティもそれなりに見るし、まだ許容範囲だ。俺の前のパーティ”黒き炎”は、俺を入れて6人パーティだった。
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「そうだな」
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「俺もぜひ参加させてもらおう」
俺、ミーシャ、ニナ。3人で、街の酒場に繰り出す。彼女たちのオススメの酒場だ。
「かんぱーい!」
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酒をどんどん飲んでいく。無事に再就職先のパーティも決まったし、酒がうまい! 3人でどんどん飲み食いしながら、雑談をする。
「それにしても、ロイさんがうちに加入してくれて本当に助かるのです。期待しているのです」
「ふん! まあまあね。実戦でのお手並みを拝見させてもらうわ」
「ああ。期待に応えられるよう、全力を尽くそう。……今までは、どんな戦闘スタイルのパーティだったんだ?」
俺は支援魔法士。パーティ内の戦闘スタイルはしっかりと把握しておかないといけない。
「わたしが索敵をして、ニナともう1人で特攻して討伐する感じなのです」
「そりゃまた、ずいぶんと脳筋……ゲフン! いや、素直でストレートな戦闘スタイルだな」
「ふん! まあ、私の実力なら、そんじょそこらの魔物なんて敵じゃないわよ!」
ニナが言うことにも一理ある。確かに彼女の実力であれば、生半可な魔物は相手にならないだろう。
しかし、それにも限界はある。中級以上の魔物を安定して狩ろうと思えば、後方支援はほぼ必須だ。支援魔法士である俺の加入は、うぬぼれではなくて彼女たちに足りない要素を補うことができそうだ。明日以降の狩りで、全力を尽くしていくことにしよう。
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