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69話 攻撃力試験
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第二の攻撃力試験。
魔導師アーシアは無事に合格した。
続いて、レオナードやミレアが試験を受けていく。
「俺もいくぜっ! 【豪腕剣】!!」
「【炎熱煉獄脚】ダ!!!」
「なっ……。魔法も使わずに、魔導師のわたくしと同程度の攻撃をするなんて……」
自信を取り戻しかけていたアーシアであったが、その顔は再び青ざめていく。
レオナードとミレアの実力を感じて、驚嘆したのだ。
他の者たちも試験に臨み、合否を言い渡される。
残すはシンヤのみとなった。
「うーん。どの魔法を使おうかなぁ……」
「ふふふ。それはもちろん、ご自分の得意魔法を使うべきでしょう」
「え? だが、強すぎる魔法で会場が壊れたりしたら……」
「ぷっ……。ご冗談を。シンヤ殿の戦闘センスや身体能力強化魔法の腕はわたくしも認めますが、さすがにこの会場をどうにかするほどの高威力の魔法を放つことはできないでしょう」
「そうか?」
「ええ。遠慮なく全力を出す方がよろしいですわ。この試験の合格ラインは決して低くありませんもの」
「そっか。そうだな。よし、決めた」
シンヤは両手を広げ、魔法陣を展開する。
「行くぞ――【マジック・バースト】」
シンヤの手から光が溢れ出す。
それは、純粋な魔力の奔流であった。
「な、なんだあれは……」
「すげぇ……」
「ま、眩しい……」
「おぉ……」
「綺麗……」
「……美しい」
「…………」
あまりの美しさに、受験者たちは皆、言葉を失う。
そして――
ドゴーン!!!
轟音と共に、シンヤの放った魔法が標的を木端微塵に粉砕した。
それだけではない。
標的付近の地面までもが吹き飛び、大きな穴が空いている。
「「「な、なんじゃこりゃぁあああっ!?」」」
他の受験者や試験官の声が重なる。
会場にいる誰もが予想していなかった事態に、驚き戸惑っているようだ。
「…………や、やっちまったか?」
シンヤの顔に、冷や汗が流れる。
だが、彼にとって幸運なことに、『やり過ぎたから不合格』などということはなかった。
彼は無事に攻撃力試験を突破し、次の試験に進めることになったのだった。
魔導師アーシアは無事に合格した。
続いて、レオナードやミレアが試験を受けていく。
「俺もいくぜっ! 【豪腕剣】!!」
「【炎熱煉獄脚】ダ!!!」
「なっ……。魔法も使わずに、魔導師のわたくしと同程度の攻撃をするなんて……」
自信を取り戻しかけていたアーシアであったが、その顔は再び青ざめていく。
レオナードとミレアの実力を感じて、驚嘆したのだ。
他の者たちも試験に臨み、合否を言い渡される。
残すはシンヤのみとなった。
「うーん。どの魔法を使おうかなぁ……」
「ふふふ。それはもちろん、ご自分の得意魔法を使うべきでしょう」
「え? だが、強すぎる魔法で会場が壊れたりしたら……」
「ぷっ……。ご冗談を。シンヤ殿の戦闘センスや身体能力強化魔法の腕はわたくしも認めますが、さすがにこの会場をどうにかするほどの高威力の魔法を放つことはできないでしょう」
「そうか?」
「ええ。遠慮なく全力を出す方がよろしいですわ。この試験の合格ラインは決して低くありませんもの」
「そっか。そうだな。よし、決めた」
シンヤは両手を広げ、魔法陣を展開する。
「行くぞ――【マジック・バースト】」
シンヤの手から光が溢れ出す。
それは、純粋な魔力の奔流であった。
「な、なんだあれは……」
「すげぇ……」
「ま、眩しい……」
「おぉ……」
「綺麗……」
「……美しい」
「…………」
あまりの美しさに、受験者たちは皆、言葉を失う。
そして――
ドゴーン!!!
轟音と共に、シンヤの放った魔法が標的を木端微塵に粉砕した。
それだけではない。
標的付近の地面までもが吹き飛び、大きな穴が空いている。
「「「な、なんじゃこりゃぁあああっ!?」」」
他の受験者や試験官の声が重なる。
会場にいる誰もが予想していなかった事態に、驚き戸惑っているようだ。
「…………や、やっちまったか?」
シンヤの顔に、冷や汗が流れる。
だが、彼にとって幸運なことに、『やり過ぎたから不合格』などということはなかった。
彼は無事に攻撃力試験を突破し、次の試験に進めることになったのだった。
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