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15話 アイリ加入と現状チームデータ

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 さらに数日が経過した。

「今日も良い感じでしたね。これなら、試合も何とかなるかもしれません!」

「ミオちゃん、ありがと。親切に教えてくれたおかげだよ。それに龍之介も」

「いやいや、アイリの努力があってこそだって!」

 ミオとアイリは、兼部しつつも順調に野球部の練習をこなす毎日を過ごしていた。
 龍之介は、それぞれとの【愛情クロストレーニング】を定期的に行いつつも、メインは野球だ。

「しかし、アイリは本当に器用だな。際どい球にも、ちゃんと対応できるんだから」

「まぁね。あの程度なら、何とかなるよ。バッティングはからっきしだけどね」

 少し照れたように言うアイリ。
 そんな彼女に、龍之介が言う。

「アイリがいれば、投手の俺としては助かる。それに、打撃面ではミオもいてくれるし……本当にいいメンバーが揃った」

「そうだね。ボクが言うのもなんだけど、このメンバーなら試合に勝てそうだと思うよ」

「秋大会の1回戦は、10月の半ば頃でしたね。それまでに仕上げていきましょう!」

 今は9月の末だ。
 試合まではまだ2週間ほど時間がある。
 それまでに3人が実力を高め、欲を言えば4人目の部員を手に入れる。
 そうすれば、1回戦突破も十分に期待できるだろう。

「じゃ、ロボ1号。俺たちの成長を言葉で表現してくれ。そして、現状の能力もな」

『ピピッ。承知しました。スキャンを始めます……』

 龍之介から指示を受けたロボ1号が、3人の体をスキャンしていく。
 そして、その結果を発表した。

『龍之介の最高球速が上がった』
『龍之介の制球力が上がった』
『龍之介の持久力が上がった』
『龍之介の走塁力が上がった』
『龍之介の守備力が上がった』
『ミオの守備力が上がった』

「よしよし、順調だ。アイリという新戦力も入ったしな」

 龍之介は、ロボ1号の言葉に満足げに頷く。
 そして、続けて報告された現状の能力を脳内の情報と合わせ、整理していく。
 ロボの報告を元に整理しているだけで、最終的にはあくまで龍之介が認識しているデータ表である。


<個人データ>

龍之介
右投げ左打ち
ポジション:投手
最高球速120km 制球力E 持久力E 変化球F
ミートE パワーC 走塁力F 送球力G 守備力E
【煩悩の力】チームメイトに女子選手がいると能力アップ
【積極恋愛】恋愛に積極的になる
【夜の帝王】前*やセ**スの才能がある
【愛情クロストレーニング・ミオ】全*で愛*されながら筋トレをするとパワーアップ
【愛情クロストレーニング・アイリ】全*で愛*されながら乱取りをするとパワーアップ

ミオ
右投げ右打ち
ポジション:一塁手
本職:ウェイトリフティング部
ミートD パワーB 走塁力D 送球力C 守備力F
【忠誠の力】チームメイトに龍之介がいると能力アップ
【積極打法】積極的にスイングする
【愛情クロストレーニング・龍之介】全*で愛*されながら筋トレをするとパワーアップ

アイリ
右投げ左打ち
ポジション:遊撃手
本職:合気道部
ミートG パワーE 走塁力B 送球力C 守備力C
【友愛の力】チームメイトに龍之介がいると能力アップ
【積極守備】積極的な守備を行う
【愛情クロストレーニング・龍之介】全*で愛*されながら乱取りをするとパワーアップ


<ロボデータ>

ロボ0号 ミートF パワーF 走塁力G 送球力G 守備力G
ロボ1号 ミートF パワーG 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ2号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ3号 ミートF パワーG 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ4号 ミートG パワーF 走塁力F 送球力G 守備力G
ロボ5号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力F 守備力G
ロボ6号 ミートG パワーF 走塁力G 送球力G 守備力F
ロボ7号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力F 守備力G
ロボ8号 ミートG パワーG 走塁力F 送球力G 守備力F
ロボ9号 ミートG パワーG 走塁力G 送球力F 守備力F


<ベストオーダー>

1番右・ロボ1・FGFGG
2番遊・アイリ・GEBCC*
3番一・ミ オ・DBDCF
4番投・龍之介・ECFGE*
5番左・ロボ0・FFGGG
6番二・ロボ4・GFFGG
7番三・ロボ5・GFGFG
8番中・ロボ8・GGFGF
9番捕・ロボ9・GGGFF

*は左打者

投手・龍之介
最高球速120km 制球力E 持久力E 変化球F

ベンチ
ロボ2、ロボ3、ロボ6、ロボ7

チーム全体評価
打撃F 走塁F 守備F 投手E 控え選手G 総合力F


「期待通り、ミオの守備力が上がったのは嬉しいよ。グラブ捌きはミオのウィークポイントではあるが、現状でもロボと比較して劣るというようなことない」

「そう言っていただけると、嬉しいです!」

 ミオは、龍之介に褒められて嬉しそうな様子を見せた。
 彼女にはウェイトリフティング部で鍛えられた身体能力がある。
 ちゃんと練習に励めば、ある程度まではすぐに上手くなっても不思議ではなかった。

「そしてアイリ。惚れ惚れするような守備力だぞ。特に、ショートとしては最高の逸材だ」

「えへへ……ありがと!」

 アイリも、龍之介に褒められて照れた様子を見せる。
 そんな2人に、龍之介は告げる。

「さて、今日の練習はここまでにしようか。秋大会に向けて追加戦力を狙っていくが、最悪の場合はこのオーダーで試合に臨むこともあり得る。明日の練習前には、打順や守備ポジションの意図をしっかりと頭に入れていこう!」

「かしこまりました!」

「わかった。ボクもちゃんとやるね!」

 2人はやる気に満ちた声で言う。
 こうして、部員が3人になった桃色青春高校は新たなスタートを切ったのであった。
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