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第5章

1207話 失敗しただと!?-1【マデリン侯爵side】

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「なにぃ!? 白狼族狩りに……失敗しただと!?」

 マデリン侯爵領、領主の館。
 その執務室で部下からの報告を聞いた男……この領地を統治するマデリン侯爵は激昂した。

「も、申し訳ありません!! まさか、奴らが作戦を失敗するとは……!」

「ふざけるな!!」

 そんな報告をした部下に対し、マデリン侯爵は机を叩き割る勢いで拳を振り下ろす。

「ひっ!?」

「連中には、多額の依頼金を出したのだ! 白狼族の奴隷を手に入れれば、それ以上の利益を回収できると踏んだからな! それなのに失敗しただと!? 一体どういうことだ!!」

 マデリン侯爵は怒りに震える。
 彼の迫力に、報告をした部下は震え上がった。

「そ、それが……謎の強者がヴァイス村を訪れていたようで……」

「謎の強者……?」

 マデリン侯爵が訝しむ。
 そんな彼に、報告をした部下はたどたどしい口調で説明を始めた。
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