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第5章

1186話 ヴァイス村からエウロス子爵領へ-4

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「じゃあ、なんですか?」

「いや、そもそもどうしてリリアナをムチで打っているのかと思ってな」

 俺はシルヴィに尋ねる。
 俺とシルヴィは、白狼族の集団を連れて大移動中である。
 2人だけだった行きの移動では、高い身体能力を活かして馬車なしで移動した。
 高レベルなジョブを持っている俺たちなら、その方が速いからだ。

 今回の帰りでは、どのような移動方法が有効か?
 白狼族の村人1人や2人ぐらいを連れ帰る程度なら、『背負う』という選択肢もある。
 もう少し増えて村人10人ぐらいと移動するなら、『全員で馬車に乗って移動する』という手もあるな。
 しかし、さすがに数十人となると馬車を用意するのが難しい。
 そのため、俺とシルヴィ、それに高齢者や赤ちゃんのみが馬車に乗り、その他は徒歩で移動してもらっているのだ。
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