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第5章

1184話 ヴァイス村からエウロス子爵領へ-2

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 一応言っておくが、シルヴィの兄ではない。
 確かに彼女は兄のことを嫌っていたが、俺の仲裁により一応は和解している。
 今の彼女にとって、兄は『眼中になし』の立ち位置だ。
 そしてもちろん、兄以外の村人というわけでもない。
 実の兄にすら興味を持っていないのに、そこらの村人をいじめるわけがない。
 では、誰か?

「ほら、さっさと歩きなさい! それでも『ナンバーズ』なのですか!!」

「むごぉ!!」

 シルヴィがムチで打っている相手……。
 それは、『地母神』リリアナである。
 謎の組織『黄昏の月』の幹部『ナンバーズ』の一員であり、組織内では序列3位。
 二つ名『地母神』の通り、大地を操る強力な魔法の使い手だ。
 そんなリリアナが……今はムチ打たれて惨めに歩いている。
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