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第5章

1067話 手紙-3

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「思えば、長い旅路だったな……。だが、楽しい旅でもあった」

 俺たち『悠久の風』が巡ってきた主要都市での出来事が思い出される。
 それぞれの街で、いろいろなことがあった。
 もちろん、それぞれの道中では小中規模の街や山村などにも訪れてきた。
 顔見知りの者も多い。
 だが、わざわざこの遠い地まで手紙を出してくるような知り合いはいなかったように思えた。

「しかし、エルカ近郊からこのエウロス領まで手紙を? いったい誰が?」

「ええと、ですね……」

 シルヴィはいくつかの手紙を俺に見せた。
 それぞれ差出人の名前が書いてあるのだが……。

「ふむ、見覚えのない家名ばかりが連なっているな……」

「え?」

「ん?」

 シルヴィは首を傾げる。
 俺は何かおかしなことを言っただろうか?
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