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第5章

1000話 孤児リリィ視点-12

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「あ、あわわ……」

「ひいいぃ……」

「うぅ……。お、落ち着かないよぉ……。リリィお姉ちゃん……」

「そ、そんなこと言われても……」

 私たちは、宿屋内の食事処に通された。
 食事をご馳走になることになったのだ。
 でも、ここは想像以上に高級な宿屋だったみたい。
 スラム暮らしの私たちにとっては、あまりにも場違いな雰囲気のお店だった。

「あの……えっと……。私たち、礼儀作法とか分からなくて……」

 私はミナさんに尋ねる。
 だが、彼女はニッコリと微笑んだ。

「大丈夫なのです。そんなに緊張しなくても」

「で、でも……。ミナさんは平気そうですけど、私たちは……」

 とにかく落ち着かない空間だった。
 私たち以外のお客さんがいないのは、不幸中の幸いだ。
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