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第5章

997話 孤児リリィ視点-9

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「こっちの狐獣人は、ヒナタちゃんなのです」

「ヒナタでしゅ。よろしくでしゅ」

「は、はい。よろしくお願いします……」

 狐獣人の女の子……ヒナタさんも頭を下げる。
 可愛い子だった。
 狐獣人は、ドワーフと違って見かけ通りの年齢のはず。
 彼女は私より年下で間違いないだろう。

 言葉遣いがちょっと幼いような気がするけど……。
 このあたりの言葉に慣れていないのかもしれない。
 私はあまり詳しくないけど、狐獣人の集落はここから遠いはずだ。

「さて……。シルヴィさんたちが帰ってくるまで、引き続きここで待っているのです?」

「は、はい。そうさせていただ――」

 ミナさんの言葉に私が答えようとした。
 そのときだった。

 グウウゥ……。
 誰かのお腹が鳴った。
 これは、私のお腹ではない。
 いや……でも、ちょっと待って。

 グウウウウゥゥ……。
 また、誰かのお腹が鳴った。
 これは私のお腹だ……。
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