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第5章

989話 孤児リリィ視点-1

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「リリィお姉ちゃん、私たちどうなるの?」

「……分からないわ」

 妹分たちの1人からの言葉に、私はそう答える。
 本当に、何が何だか分かっていないのだ。

(末の妹分の借金がなくなったのは良かったけど……)

 私は、前を歩く女性の後ろ姿を見ながら考える。
 銀色の髪が美しく、その顔も凛々しくてカッコいい。
 聞いたところによると私より少し年上なだけらしい。
 その割には、とても落ち着いているように見える。

「あの、シルヴィ様……」

「様はやめなさい。あなたより立場は上でしょうが、様付けされるほどの者ではありませんよ」

「でも……」

「様付けは、わたしのご主人様に取っておきなさい。わたしは、ご主人様と同じ敬称で呼ばれるつもりなんてありませんから」
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