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第5章

961話 ジョニーという男-1【シルヴィ・ネリスside】

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「で、ですが……お金はありません」

「そんなことは分かっています。対価については、あとで考えます」

「え、えっと……」

 リーダー格の少女が口ごもる。
 そんな少女に対し、シルヴィは問いかけた。

「まだ何か?」

「私たちの妹分は、ジョニーさんのところにいるんです」

「ジョニー? 誰です? その人」

 シルヴィが首をかしげる。
 すると、リーダー格の少女が答えた。

「ジョニーさんは、スラムの一角を束ねるグループのリーダーなんです」

「ふむ……」

「私たちが薬代を稼ぐまで、ジョニーさんのところでお世話になっていて……。病人にいいっていう食事も食べさせてくれています」

 リーダー格の少女の説明に、シルヴィは納得した。
 少女たちはスラムのまとめ役の下で世話になっているらしい。
 だが、同時に疑問が生じた。
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