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第5章

947話 スラム街-1【シルヴィ・ネリスside】

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 セリアがタニアとの交渉を終わらせた頃――。

「シルヴィ様、あたくしたちはどちらに向かっているのでしょう?」

「スラム街です」

「スラム街……。なぜそのような場所に?」

 シルヴィが淡々と答えると、ネリスは首を傾げた。
 そんな彼女に、シルヴィは答える。

「優秀な人材を見つけるためです」

「しかし、スラム街などにそのような人物がいるとは思いませんが……」

「決めつけるのは良くありません。あなたも、ご主人様の例の御力は知っているでしょう? わずかな才能さえあれば、いくらでも伸ばすことができます」

「なるほど……。それもそうですね」

 ネリスが納得した。
 コウタが持つ『ジョブ設定』や『パーティメンバー経験値ブースト』の情報は、仲間内で共有されている。
 初期メンバーであるシルヴィはより詳しく知っており、比較的新参のネリスはざっくりと知っているだけだ。
 しかしいずれにせよ、その有用性は把握している。
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