943 / 1,270
第5章
943話 交渉-2【セリアside】
しおりを挟む でも、お茶会の終わりにちょっとした事件が起きてしまった。
ガチャ。
「おお、これはこれはグレッグ殿下。本日は孫娘を連れてきましたぞ」
急に応接室のドアが開いたかと思ったら、なんとゴルゴル侯爵が小さな女の子を引き連れて入ってきた。
突然の事で、僕だけでなくクリスちゃんとグレッグちゃんもポカーンとしちゃいました。
しかし、大人は直ぐに動いていた。
「控えよ、ゴルゴル侯爵。そなたは屋敷謹慎中の身、何故この場にいる」
「今は、王家とフランソワーズ公爵家とのお茶会の最中である。無断で部屋に入るのは、無礼ではないか」
うわあ、いつもはとても優しい王妃様とターニャさんが、毅然とした態度でゴルゴル侯爵に物申していた。
普段とは違う母親の態度の変化に、グレッグちゃんとクリスちゃんは目を見開くほどビックリしていました。
ゴルゴル侯爵はこの場に僕がいるのに気がついたみたいだけど、ターニャさんとクリスちゃんがいるからフランソワーズ公爵家が王家に来たのは間違いない。
しかし、ゴルゴル侯爵も簡単には引き下がらなかった。
「王妃様、ターニャ様、そんな大声を出されると小さな子が驚きますぞ。それに、ポール男爵家の件は落ち着いたではありませんか」
ゴルゴル侯爵は、連れてきた小さな女の子を盾にして王妃様とターニャさんの発言を無しにしようとしていた。
この辺は、貴族としての巧妙さなのかもしれない。
でも、命令違反をしているのはゴルゴル侯爵の方です。
それに、勝手な解釈をしているのもゴルゴル侯爵です。
王妃様は、引き下がる事なく威厳のある態度で命令しました。
「近衛騎士、ゴルゴル侯爵を命令違反で捕縛せよ。孫娘は、丁重にゴルゴル侯爵家に送り届けるように」
「「「はっ!」」」
「なっ、くそ!」
こうして、ゴルゴル侯爵はあっという間に兵によって捕縛されていった。
小さな女の子はポカーンとしていたけど、女性の近衛騎士が抱っこして連れて行った。
ゴルゴル侯爵の策略に巻き込まれた形だから女の子には罪はないけど、とっても残念なことですね。
女の子は、僕たちに手を振ってから部屋を出ていった。
「ふう、まさかあの馬鹿がこんな事をするとは。みんな、ごめんなさいね」
「もしかしたら、ゴルゴル侯爵は私たちがいるのを知ってわざと部屋に入ってきたのかもよ。フランソワーズ公爵家に、次期王妃は自分の孫娘だって見せつけたいのかも」
「「かっこよかったー!」」
「アン!」
いつもの優しい王妃様とターニャさんに戻ったけど、二人も予想外のことで頭にきていたのかも。
それでも、冷静に理由を分析している辺りは流石だと思いました。
グレッグちゃんとクリスちゃんは、ユキちゃんと一緒にキリリとしていた二人に拍手を送っていた。
そして、今度はなんと陛下が応接室に入ってきた。
「この分だと、落ち着いたみたいだな。大罪を犯した訳ではないが、ゴルゴル侯爵にはある程度の厳罰は必要だ」
恐らく近衛騎士からゴルゴル侯爵の件を聞いたみたいだけど、本当に安心した表情だった。
でも、これでゴルゴル侯爵一派の力は一気に落ちそうな気がしたよ。
「おとーさま、おかーさまかっこよかったー!」
「はは、そうかカッコよかったか。ノエビアは、やる時はやるからな」
「ちょっと、そんな言い方はないですわよ」
陛下がグレッグちゃんを抱っこしながら笑顔でいるけど、ホッとしたのもありそうですね。
王妃様はちょっと不満そうに言っているけど、僕もさっきの王妃様はカッコよかったと思うよ。
こうして、最後に色々とあったけど何とかお茶会は終了しました。
まだ午前中なのに、ちょっと疲れちゃったね。
昼食をしっかりと食べて、元気を取り戻さないとね。
ガチャ。
「おお、これはこれはグレッグ殿下。本日は孫娘を連れてきましたぞ」
急に応接室のドアが開いたかと思ったら、なんとゴルゴル侯爵が小さな女の子を引き連れて入ってきた。
突然の事で、僕だけでなくクリスちゃんとグレッグちゃんもポカーンとしちゃいました。
しかし、大人は直ぐに動いていた。
「控えよ、ゴルゴル侯爵。そなたは屋敷謹慎中の身、何故この場にいる」
「今は、王家とフランソワーズ公爵家とのお茶会の最中である。無断で部屋に入るのは、無礼ではないか」
うわあ、いつもはとても優しい王妃様とターニャさんが、毅然とした態度でゴルゴル侯爵に物申していた。
普段とは違う母親の態度の変化に、グレッグちゃんとクリスちゃんは目を見開くほどビックリしていました。
ゴルゴル侯爵はこの場に僕がいるのに気がついたみたいだけど、ターニャさんとクリスちゃんがいるからフランソワーズ公爵家が王家に来たのは間違いない。
しかし、ゴルゴル侯爵も簡単には引き下がらなかった。
「王妃様、ターニャ様、そんな大声を出されると小さな子が驚きますぞ。それに、ポール男爵家の件は落ち着いたではありませんか」
ゴルゴル侯爵は、連れてきた小さな女の子を盾にして王妃様とターニャさんの発言を無しにしようとしていた。
この辺は、貴族としての巧妙さなのかもしれない。
でも、命令違反をしているのはゴルゴル侯爵の方です。
それに、勝手な解釈をしているのもゴルゴル侯爵です。
王妃様は、引き下がる事なく威厳のある態度で命令しました。
「近衛騎士、ゴルゴル侯爵を命令違反で捕縛せよ。孫娘は、丁重にゴルゴル侯爵家に送り届けるように」
「「「はっ!」」」
「なっ、くそ!」
こうして、ゴルゴル侯爵はあっという間に兵によって捕縛されていった。
小さな女の子はポカーンとしていたけど、女性の近衛騎士が抱っこして連れて行った。
ゴルゴル侯爵の策略に巻き込まれた形だから女の子には罪はないけど、とっても残念なことですね。
女の子は、僕たちに手を振ってから部屋を出ていった。
「ふう、まさかあの馬鹿がこんな事をするとは。みんな、ごめんなさいね」
「もしかしたら、ゴルゴル侯爵は私たちがいるのを知ってわざと部屋に入ってきたのかもよ。フランソワーズ公爵家に、次期王妃は自分の孫娘だって見せつけたいのかも」
「「かっこよかったー!」」
「アン!」
いつもの優しい王妃様とターニャさんに戻ったけど、二人も予想外のことで頭にきていたのかも。
それでも、冷静に理由を分析している辺りは流石だと思いました。
グレッグちゃんとクリスちゃんは、ユキちゃんと一緒にキリリとしていた二人に拍手を送っていた。
そして、今度はなんと陛下が応接室に入ってきた。
「この分だと、落ち着いたみたいだな。大罪を犯した訳ではないが、ゴルゴル侯爵にはある程度の厳罰は必要だ」
恐らく近衛騎士からゴルゴル侯爵の件を聞いたみたいだけど、本当に安心した表情だった。
でも、これでゴルゴル侯爵一派の力は一気に落ちそうな気がしたよ。
「おとーさま、おかーさまかっこよかったー!」
「はは、そうかカッコよかったか。ノエビアは、やる時はやるからな」
「ちょっと、そんな言い方はないですわよ」
陛下がグレッグちゃんを抱っこしながら笑顔でいるけど、ホッとしたのもありそうですね。
王妃様はちょっと不満そうに言っているけど、僕もさっきの王妃様はカッコよかったと思うよ。
こうして、最後に色々とあったけど何とかお茶会は終了しました。
まだ午前中なのに、ちょっと疲れちゃったね。
昼食をしっかりと食べて、元気を取り戻さないとね。
15
お気に入りに追加
1,088
あなたにおすすめの小説
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
捨てられた転生幼女は無自重無双する
紅 蓮也
ファンタジー
スクラルド王国の筆頭公爵家の次女として生を受けた三歳になるアイリス・フォン・アリステラは、次期当主である年の離れた兄以外の家族と兄がつけたアイリスの専属メイドとアイリスに拾われ恩義のある専属騎士以外の使用人から疎まれていた。
アイリスを疎ましく思っている者たちや一部の者以外は知らないがアイリスは転生者でもあった。
ある日、寝ているとアイリスの部屋に誰かが入ってきて、アイリスは連れ去られた。
アイリスは、肌寒さを感じ目を覚ますと近くにその場から去ろうとしている人の声が聞こえた。
去ろうとしている人物は父と母だった。
ここで声を出し、起きていることがバレると最悪、殺されてしまう可能性があるので、寝たふりをして二人が去るのを待っていたが、そのまま本当に寝てしまい二人が去った後に近づいて来た者に気づくことが出来ず、また何処かに連れていかれた。
朝になり起こしに来た専属メイドが、アイリスがいない事を当主に報告し、疎ましく思っていたくせに当主と夫人は騒ぎたて、当主はアイリスを探そうともせずに、その場でアイリスが誘拐された責任として、専属メイドと専属騎士にクビを言い渡した。
クビを言い渡された専属メイドと専属騎士は、何も言わず食堂を出て行き身支度をして、公爵家から出ていった。
しばらく歩いていると、次期当主であるカイルが後を追ってきて、カイルの腕にはいなくなったはずのアイリスが抱かれていた。
アイリスの無事に安心した二人は、カイルの話を聞き、三人は王城に向かった。
王城で、カイルから話を聞いた国王から広大なアイリス公爵家の領地の端にあり、昔の公爵家本邸があった場所の管理と魔の森の開拓をカイルは、国王から命られる。
アイリスは、公爵家の目がなくなったので、無自重でチートし続け管理と開拓を命じられた兄カイルに協力し、辺境の村々の発展や魔の森の開拓をしていった。
※諸事情によりしばらく連載休止致します。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる