社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

８９３話 下卑た男たち－１【リン・ルンside】

　リンとルンが、寂れた宿屋を訪問している。
　目的は、肉料理が得意な女将の力量を確認してスカウトすることだ。
　無事に料理を堪能してその見事な腕前を確認できたが、そこへ４人の武装した男たちが乱入してきた。

「おうおう！　いい匂いじゃねぇか！！」

「俺たちにも食わせてくれよ！　へっへっへ！！」

　男たちが、下卑た笑いを浮かべる。
　その目は女将を見ていた。

「……また来たのかい。あんたたちに食わせるものはないよ。帰んな」

　女将が面倒臭そうに言った。
　彼女は男たちを見ずに、リンたちに提供するための料理を作り続けている。
　しかし……男たちは引かない。

「そんなこと言うなよ～」

「そう言わずに食わせてくれよ～！　へっへっへ！！」

　男たちが勝手に厨房に押し入る。
　女将は迷惑そうな表情で振り返った。

「ちょっと！　止めろって言ってるだろ！！」

「お前さ、自分の立場が分かってるのかよ？　借金まみれの宿屋の女将が、偉そうにするなよな～」

「そうだぜ？　金がないんだろ？　文句を言う前に、借金返せよ！　へへっ！！」

　男たちがゲラゲラと笑う。
　女将は悔しそうに歯ぎしりをした。
　どうやら、借金があることは事実らしい。
　女将の料理の腕は確かだ。
　その腕を活かせば、客足も伸びることだろう。