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第5章
869話 本の管理者-4【チセ・ローズside】
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「新領地を開拓するにあたって、人手が足りなくて困っているのです。店主さんさえよろしければ、私たちと一緒に来てくださいませんか?」
「し、しかし……。俺はただの本屋店主ですよ? しかも、今から本は手元から失われるというのに……。力仕事なんかも、冒険者とか農夫に比べるまでもないくらいできないと思いますが……」
店主が困った様子で疑問を呈する。
そんな彼の不安を吹き飛ばすように、チセは口を開いた。
「大丈夫です! ローズさんは、あなたに力仕事を任せるおつもりではありませんから! ですよね?」
「その通りですわ。わたくしたちは本の所有権を手にしました。しかし、新領地でそれらを管理する者がいないのです。貴方には本の管理を任せたいのですわ」
「は、はぁ……。本の管理……ですか……」
店主が首を傾げる。
そんな彼に向かって、ローズは説明を続けた。
「本の内容まで網羅しているのが理想でしたが、そう上手くはいきませんわね。ですが、どのような内容の本があるかだけでも把握しているのならば、悪くありません。それでも十分ですわ。食うに困らぬ報酬を約束しましょう。なにせ新領地ですから、場合によってはそれ以上の報酬もあるかも……」
「な、なるほど……。そ、そういうことでしたら、精一杯頑張らせていただきます!」
ローズの説明を受け、店主が頷く。
こうしてチセたちは、開拓地に連れて行く人材と本を確保したのだった。
「し、しかし……。俺はただの本屋店主ですよ? しかも、今から本は手元から失われるというのに……。力仕事なんかも、冒険者とか農夫に比べるまでもないくらいできないと思いますが……」
店主が困った様子で疑問を呈する。
そんな彼の不安を吹き飛ばすように、チセは口を開いた。
「大丈夫です! ローズさんは、あなたに力仕事を任せるおつもりではありませんから! ですよね?」
「その通りですわ。わたくしたちは本の所有権を手にしました。しかし、新領地でそれらを管理する者がいないのです。貴方には本の管理を任せたいのですわ」
「は、はぁ……。本の管理……ですか……」
店主が首を傾げる。
そんな彼に向かって、ローズは説明を続けた。
「本の内容まで網羅しているのが理想でしたが、そう上手くはいきませんわね。ですが、どのような内容の本があるかだけでも把握しているのならば、悪くありません。それでも十分ですわ。食うに困らぬ報酬を約束しましょう。なにせ新領地ですから、場合によってはそれ以上の報酬もあるかも……」
「な、なるほど……。そ、そういうことでしたら、精一杯頑張らせていただきます!」
ローズの説明を受け、店主が頷く。
こうしてチセたちは、開拓地に連れて行く人材と本を確保したのだった。
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