864 / 1,057
第5章
864話 交渉-3【チセ・ローズside】
しおりを挟む
「お前ら、そんなに本を仕入れてどうするつもりなんだ!?」
「はい?」
「王都でまともに売り払えると思ってるのか!? あまりこちらを舐めるな! 本には本の流通経路ってモンがあるんだぞ!!」
「……ははぁ、なるほど。貴方なりに圧力でもかけるつもりですのね?」
ローズが納得する。
店主の足元を見て安い査定額を提示したケチな借金取りの男でも、それなりに力を持っているのだろう。
確かに、圧力をかけられればせっかく買い取った本を売却していくことが難しくなる。
だが、ローズは余裕の表情で言った。
「なんとでもおやりなさいな」
「なんだと!?」
「あいにくですが、わたくしたちも権力というものには心当たりがあります。……ねぇ? チセ殿」
「は、はい! ローズさん!!」
ローズに呼びかけられ、チセは力強く頷く。
そして、借金取りの男に向かって言い放った。
「私はともかく! ローズさんの顔を知らないとは! あなたはそれでも、王都の商人ですか!?」
「なっ……。こ、この小娘がいったい何様だって言うんだ!!」
チセの言葉に、借金取りの男が動揺する。
そんな彼の言葉を引き継ぐように、ローズが口を開いた。
「はい?」
「王都でまともに売り払えると思ってるのか!? あまりこちらを舐めるな! 本には本の流通経路ってモンがあるんだぞ!!」
「……ははぁ、なるほど。貴方なりに圧力でもかけるつもりですのね?」
ローズが納得する。
店主の足元を見て安い査定額を提示したケチな借金取りの男でも、それなりに力を持っているのだろう。
確かに、圧力をかけられればせっかく買い取った本を売却していくことが難しくなる。
だが、ローズは余裕の表情で言った。
「なんとでもおやりなさいな」
「なんだと!?」
「あいにくですが、わたくしたちも権力というものには心当たりがあります。……ねぇ? チセ殿」
「は、はい! ローズさん!!」
ローズに呼びかけられ、チセは力強く頷く。
そして、借金取りの男に向かって言い放った。
「私はともかく! ローズさんの顔を知らないとは! あなたはそれでも、王都の商人ですか!?」
「なっ……。こ、この小娘がいったい何様だって言うんだ!!」
チセの言葉に、借金取りの男が動揺する。
そんな彼の言葉を引き継ぐように、ローズが口を開いた。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
1,056
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる