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第5章

864話 交渉-3【チセ・ローズside】

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「お前ら、そんなに本を仕入れてどうするつもりなんだ!?」

「はい?」

「王都でまともに売り払えると思ってるのか!? あまりこちらを舐めるな! 本には本の流通経路ってモンがあるんだぞ!!」

「……ははぁ、なるほど。貴方なりに圧力でもかけるつもりですのね?」

 ローズが納得する。
 店主の足元を見て安い査定額を提示したケチな借金取りの男でも、それなりに力を持っているのだろう。
 確かに、圧力をかけられればせっかく買い取った本を売却していくことが難しくなる。
 だが、ローズは余裕の表情で言った。

「なんとでもおやりなさいな」

「なんだと!?」

「あいにくですが、わたくしたちも権力というものには心当たりがあります。……ねぇ? チセ殿」

「は、はい! ローズさん!!」

 ローズに呼びかけられ、チセは力強く頷く。
 そして、借金取りの男に向かって言い放った。

「私はともかく! ローズさんの顔を知らないとは! あなたはそれでも、王都の商人ですか!?」

「なっ……。こ、この小娘がいったい何様だって言うんだ!!」

 チセの言葉に、借金取りの男が動揺する。
 そんな彼の言葉を引き継ぐように、ローズが口を開いた。
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