862 / 1,049
第5章
862話 交渉-1【チセ・ローズside】
しおりを挟む
チセとローズが本屋を訪れている。
借金のカタとして差し押さえた大量の本に対し、借金取りの男は金貨100枚と査定した。
しかし店主は『金貨1000枚分の価値はあるはずだ』と反論する。
少し離れたところで聞いていたローズの見立ても同様だ。
そこで彼女は、店主に大して金貨300枚での買い取りを提案した。
「いかがでしょう? そちらのケチな借金取りの提示額と比べて、わたくしたちは3倍もの価値を提示しています。こちらの方が、お得なはずですわ」
ローズが店主にそう語りかける。
すると、借金取りの男が吠えるように叫んだ。
「おい! 誰がケチな借金取りだ!? お前たちの査定は高すぎるんだ!」
「そうかしら? わたくしたちは適正な価格を提示しているつもりですが?」
「黙れ! 関係ない者が口出しするな!!」
借金取りの男が叫ぶ。
思わぬ邪魔者が入ったことで、丁寧な口調も崩れてしまっている。
彼の反応を見て、ローズは肩をすくめた。
「関係ないことはありませんわ。貴方にとって、それらの本は金貨100枚の価値しかないのでしょう?」
「ああ、そうだ!」
「ならば、わたくしたちが金貨300枚で店主から本を買い取った方が都合が良いはずです。借金とやらがいくらあるのか存じませんが、少なくとも金貨300は回収できるようになるのですから」
「ぐっ……! そ、それは……!!」
ローズの指摘に、借金取りの男が言葉を詰まらせる。
そんな2人の言い争いを聞いていた店長が口を開いた。
借金のカタとして差し押さえた大量の本に対し、借金取りの男は金貨100枚と査定した。
しかし店主は『金貨1000枚分の価値はあるはずだ』と反論する。
少し離れたところで聞いていたローズの見立ても同様だ。
そこで彼女は、店主に大して金貨300枚での買い取りを提案した。
「いかがでしょう? そちらのケチな借金取りの提示額と比べて、わたくしたちは3倍もの価値を提示しています。こちらの方が、お得なはずですわ」
ローズが店主にそう語りかける。
すると、借金取りの男が吠えるように叫んだ。
「おい! 誰がケチな借金取りだ!? お前たちの査定は高すぎるんだ!」
「そうかしら? わたくしたちは適正な価格を提示しているつもりですが?」
「黙れ! 関係ない者が口出しするな!!」
借金取りの男が叫ぶ。
思わぬ邪魔者が入ったことで、丁寧な口調も崩れてしまっている。
彼の反応を見て、ローズは肩をすくめた。
「関係ないことはありませんわ。貴方にとって、それらの本は金貨100枚の価値しかないのでしょう?」
「ああ、そうだ!」
「ならば、わたくしたちが金貨300枚で店主から本を買い取った方が都合が良いはずです。借金とやらがいくらあるのか存じませんが、少なくとも金貨300は回収できるようになるのですから」
「ぐっ……! そ、それは……!!」
ローズの指摘に、借金取りの男が言葉を詰まらせる。
そんな2人の言い争いを聞いていた店長が口を開いた。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
1,049
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる