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第5章
859話 本屋-2【チセ・ローズside】
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「では、チセ殿。参りましょう」
「はい!」
2人は本屋の中に向かう。
だが、中に入ろうとしたその瞬間――
「おおっと、お嬢ちゃんたち。勝手に店に入っちゃ困るよ」
入り口付近にいた筋骨隆々な男が、チセとローズに話しかけてきた。
その口調は穏やかだが、表情は厳しいものだ。
「あ、あの……私たちは本が欲しくて……」
チセが怯えながら答える。
そんな彼女を庇うように、ローズが前に出た。
「わたくしたちは客ですわよ? あなた、この本屋の店主かしら?」
「いいや、違う。俺はただの借金取りの同行者さ」
「借金取り……。それは、どういう意味ですの?」
「言葉通りの意味だ。この本屋は借金のカタになっていてな。俺の上司が、店内で本の査定をしている」
男はそう言って、店の中を指さす。
確かに、店内には数人の人影があった。
しかし、その査定とやらは上手くいっていないようだ。
「ふ、ふざけるなっ! これだけの本だぞ!? いったいどれほどの価値があると思っているんだ!?」
「どれほどと言われましてもな。私が提示した通り、金貨100枚が相場でしょう」
「はい!」
2人は本屋の中に向かう。
だが、中に入ろうとしたその瞬間――
「おおっと、お嬢ちゃんたち。勝手に店に入っちゃ困るよ」
入り口付近にいた筋骨隆々な男が、チセとローズに話しかけてきた。
その口調は穏やかだが、表情は厳しいものだ。
「あ、あの……私たちは本が欲しくて……」
チセが怯えながら答える。
そんな彼女を庇うように、ローズが前に出た。
「わたくしたちは客ですわよ? あなた、この本屋の店主かしら?」
「いいや、違う。俺はただの借金取りの同行者さ」
「借金取り……。それは、どういう意味ですの?」
「言葉通りの意味だ。この本屋は借金のカタになっていてな。俺の上司が、店内で本の査定をしている」
男はそう言って、店の中を指さす。
確かに、店内には数人の人影があった。
しかし、その査定とやらは上手くいっていないようだ。
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「どれほどと言われましてもな。私が提示した通り、金貨100枚が相場でしょう」
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