社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

８４７話 大地讃頌－２【ユヅキ・ティータside】

「誤解しないで。僕は君を侮っているわけじゃない。個人ランクＣは中堅だ。一人前として扱われる実力だよ」

　ユヅキが落ち着いた口調で話す。
　彼女は、彼らを侮っているわけではなかった。

　Ｃランク冒険者は、小さな村などではちょっとした英雄扱いをされることがある。
　地方の町なら、さすがに英雄扱いはないとしても頼りになるエース冒険者といったところか。
　大きな町であれば、極端には目立たないものの安心して依頼できる実績や実力が確かな存在。
　開拓事業に連れて行くことができれば、悪くない戦力・労働力となってくれるだろう。

「てめぇ！　それ以上舐めた口を利くと、ただじゃおかねぇぞ！！」

　筋骨隆々の男が叫ぶ。
　ユヅキの言葉を一種の侮蔑か何かと感じ取ったようだ。
　彼の怒りは頂点に達していた。

「へぇ……。ただじゃおかないって？　それは楽しみ！」

　ユヅキが不敵に笑う。
　その様子に、筋骨隆々の男は苛立ちをさらに募らせた。

「クソガキが！　そんなに痛い目にあいてぇのか？」

「うん、いいよ。やれるものならやってみて」

　ユヅキは微笑み続ける。
　その態度が、男の怒りに油を注いだようだ。

「バカが！　後悔しろやぁ！！」

　筋骨隆々の男は、ユヅキに向かって殴りかかった。
　腰の剣を抜かないあたり、最低限の分別は残っているようだ。
　しかし、その拳には怒りが込められている。
　怒りが込もった拳は、勢いよくユヅキの体へと向かい――