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第5章

845話 冒険者ギルドへ-3【ユヅキ・ティータside】

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「やあ、こんにちは。君たちも開拓団への参加希望者かな?」

「ああ? なんだ、このガキは?」

 筋骨隆々の冒険者パーティのリーダーが、ユヅキを睨みつける。
 冒険者スタイルのユヅキは、中性的な容姿の少年にしか見えない。
 これがオフの日だったなら、可憐な美少女として丁重に話しかけられる可能性もあっただろう。
 あるいは逆に、冒険者として実戦の最中であったなら、その実力で存在感を示すこともできたかもしれない。

 しかし、今は冒険者スタイルであり、しかも戦闘を行っていない。
 そのような状況下では、ただの生意気なガキにしか見えなかった。

「おい、ガキ。どういうつもりだ? 年長者に対して、敬意が感じられねぇな」

 冒険者パーティのリーダーに続いて、筋骨隆々の男たちがユヅキを取り囲む。
 彼らは屈強な肉体に自信があり、舐めた態度を取る者は力で屈服させてきた。
 当然、こんなガキなど簡単に屈服させることができる。
 彼らはそう考えていた。

「俺たちは、泣く子も黙るBランクパーティ『剛腕の灯火』だ。死にたくなければ、舐めた口を利かないことだな!!」

 筋骨隆々の冒険者パーティのリーダーが凄む。
 すると、他の者たちも威圧するような声を出した。

「はぁ……。これは、参ったね」

 ユヅキは困ったようにため息をつく。
 その様子が、さらに男たちを苛立たせたようだ。

「おい、ガキ! てめぇ、舐めてんのか? 聞こえなかったのなら、もう一度言ってやる! 俺たちはBランクパーティ『剛腕の灯火』だ!! 聞いたことぐらいあるだろ!?」

 リーダーが再び怒鳴り散らす。
 しかし、ユヅキは顔色一つ変えないのだった。
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