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第5章
783話 人材斡旋の依頼-1
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俺は教会の大司教ザルードと面会している。
寄付という名の賄賂を渡しながら、俺は切り出した。
「さっそくだが、本題に入らせてもらう。俺はある事業を計画しているんだ」
「……ほう。それは、エルカ西方の開拓事業ですかな?」
「ご名答。よく知っているな」
「教会としましても、民の安寧や平穏は願うべきことですからな。辺境に巣食う魔物がいなくなれば、このバルドゥール王国を含めた各国々の安全度は高まるでしょう」
「ご立派なお言葉だな」
俺は肩をすくめた。
正直なところ、ザルードの言葉を信じてはいない。
MSCにおける聖職者系統のジョブは、その精神の高潔さなどとはあまり関係なく育つからだ。
必要なのは、行為。
中身が欲望まみれであっても、形式上の慈善行為をしていれば聖職者系統のジョブを取得できる。
逆に、いくら信心深くても、祈っているだけでは聖職者系のジョブを育てていくことはできない。
このあたりは、MSCがただのゲームであったことにも繋がる。
高度に発達したVRMMOでも、プレイヤーの内心までは把握できないのだ。
まぁ、この世界はMSCとは少し異なる点もある。
聖職者系のジョブの仕様まで同じかどうかは分からないのだが……。
「俺はエルカ西方を必ず開拓してみせる。魔物の脅威はSランクパーティ『悠久の風』が取り除くと約束しよう」
ザルードの目を見据える。
彼は目を細めて俺を観察していた。
寄付という名の賄賂を渡しながら、俺は切り出した。
「さっそくだが、本題に入らせてもらう。俺はある事業を計画しているんだ」
「……ほう。それは、エルカ西方の開拓事業ですかな?」
「ご名答。よく知っているな」
「教会としましても、民の安寧や平穏は願うべきことですからな。辺境に巣食う魔物がいなくなれば、このバルドゥール王国を含めた各国々の安全度は高まるでしょう」
「ご立派なお言葉だな」
俺は肩をすくめた。
正直なところ、ザルードの言葉を信じてはいない。
MSCにおける聖職者系統のジョブは、その精神の高潔さなどとはあまり関係なく育つからだ。
必要なのは、行為。
中身が欲望まみれであっても、形式上の慈善行為をしていれば聖職者系統のジョブを取得できる。
逆に、いくら信心深くても、祈っているだけでは聖職者系のジョブを育てていくことはできない。
このあたりは、MSCがただのゲームであったことにも繋がる。
高度に発達したVRMMOでも、プレイヤーの内心までは把握できないのだ。
まぁ、この世界はMSCとは少し異なる点もある。
聖職者系のジョブの仕様まで同じかどうかは分からないのだが……。
「俺はエルカ西方を必ず開拓してみせる。魔物の脅威はSランクパーティ『悠久の風』が取り除くと約束しよう」
ザルードの目を見据える。
彼は目を細めて俺を観察していた。
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