726 / 1,049
第5章
726話 回りくどい策略
しおりを挟む
「これで、エウロス卿は新たな力を手に入れたことになるな」
「はい」
ウルゴ陛下が満足そうに言った。
俺も笑顔で返す。
だが――
「エウロス卿。よろしいですかな?」
「ん?」
ここで、マデリン侯爵が声をかけてきた。
また何か言いたいことでもあるのか?
「なんだ?」
「ご存知のことだとは思いますが、『宝剣ラティオ』は国宝です。くれぐれも紛失などせぬようにしてください」
「あぁ、分かっているとも」
マデリン侯爵が念を押してくる。
俺は適当に相槌を打った。
俺にはチート級のシステムスキル『ストレージ』がある。
普段はその中に収納しておけば問題ない。
紛失するとすれば戦闘中や戦闘を警戒して剣を携帯しているときくらいだろう。
「お忘れなきようお願いいたしますよ? 国宝を紛失したとなれば、大変なことになりますからな」
「大丈夫だ」
マデリン侯爵がしつこく言ってくる。
俺が『宝剣ラティオ』をなくすと思っているのだろうか?
――いや、違うな。
これは、マデリン侯爵の回りくどい策略かもしれない。
貴重なものを俺に与え、もし紛失したら俺の責任を追及するつもりだ。
場合によっては、手の者に命令して俺を襲ったりするかもしれない。
気を付ける必要がある。
「さて、エウロス卿よ。そなたの強さは知っておる。『悠久の風』という優秀な仲間を持っていることもな」
「はい」
ウルゴ陛下が満足そうに言った。
俺も笑顔で返す。
だが――
「エウロス卿。よろしいですかな?」
「ん?」
ここで、マデリン侯爵が声をかけてきた。
また何か言いたいことでもあるのか?
「なんだ?」
「ご存知のことだとは思いますが、『宝剣ラティオ』は国宝です。くれぐれも紛失などせぬようにしてください」
「あぁ、分かっているとも」
マデリン侯爵が念を押してくる。
俺は適当に相槌を打った。
俺にはチート級のシステムスキル『ストレージ』がある。
普段はその中に収納しておけば問題ない。
紛失するとすれば戦闘中や戦闘を警戒して剣を携帯しているときくらいだろう。
「お忘れなきようお願いいたしますよ? 国宝を紛失したとなれば、大変なことになりますからな」
「大丈夫だ」
マデリン侯爵がしつこく言ってくる。
俺が『宝剣ラティオ』をなくすと思っているのだろうか?
――いや、違うな。
これは、マデリン侯爵の回りくどい策略かもしれない。
貴重なものを俺に与え、もし紛失したら俺の責任を追及するつもりだ。
場合によっては、手の者に命令して俺を襲ったりするかもしれない。
気を付ける必要がある。
「さて、エウロス卿よ。そなたの強さは知っておる。『悠久の風』という優秀な仲間を持っていることもな」
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
1,049
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる