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第5章
720話 エウロス子爵様万歳
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俺はコウタ・エウロス男爵だ。
いや、エウロス男爵だったというべきか。
なぜなら、たった今――
「エウロス卿よ。そなたに子爵位を授ける」
「はっ! 謹んでお受けいたします」
――俺は、エウロス子爵となったからだ。
「コウタ・エウロス子爵よ! 貴公の新たなる門出に幸多からんことを!」
「「おめでとう!」」
「「エウロス子爵様万歳!! エウロス子爵様ばんざーい!!!」」
「「エウロス卿に乾杯!!」」
決闘場の周囲にいた王侯貴族や一般民衆たちが、大きな歓声を上げる。
その中には、エルカディア侯爵やアスター騎士爵の姿もあった。
(ふふ……。やはり私の目に狂いはなかった。私の遠戚にあたるナディアが彼に気に入られているのもいい傾向だ。私の陣営もますます盤石になるな……)
(おお……。平民から一代で子爵になられるとは……。彼と知己を得られたのは僥倖だった。私もエルカディア侯爵陣営に入ることにするか……)
彼らはそれぞれ、内心が少しばかり漏れている。
俺の聴覚はごまかせない。
バルドゥール王国はウルゴ陛下が治める国だ。
しかし、その下にいる貴族たちは決して一枚岩ではない。
大きく3つの派閥に分かれている。
1つは、エルカディア侯爵を中心とした『エルカディア派』だ。
もう1つは、マデリン侯爵を筆頭とする『マデリン派』。
騎士団長は貴族ではないが、派閥としてはここに属する。
最後の1つが、その他の『無派閥』だ。
有力貴族だが敢えて様子見をしている貴族や、逆にアスター騎士爵のように末端過ぎて派閥に加わっていない貴族もいる。
いや、エウロス男爵だったというべきか。
なぜなら、たった今――
「エウロス卿よ。そなたに子爵位を授ける」
「はっ! 謹んでお受けいたします」
――俺は、エウロス子爵となったからだ。
「コウタ・エウロス子爵よ! 貴公の新たなる門出に幸多からんことを!」
「「おめでとう!」」
「「エウロス子爵様万歳!! エウロス子爵様ばんざーい!!!」」
「「エウロス卿に乾杯!!」」
決闘場の周囲にいた王侯貴族や一般民衆たちが、大きな歓声を上げる。
その中には、エルカディア侯爵やアスター騎士爵の姿もあった。
(ふふ……。やはり私の目に狂いはなかった。私の遠戚にあたるナディアが彼に気に入られているのもいい傾向だ。私の陣営もますます盤石になるな……)
(おお……。平民から一代で子爵になられるとは……。彼と知己を得られたのは僥倖だった。私もエルカディア侯爵陣営に入ることにするか……)
彼らはそれぞれ、内心が少しばかり漏れている。
俺の聴覚はごまかせない。
バルドゥール王国はウルゴ陛下が治める国だ。
しかし、その下にいる貴族たちは決して一枚岩ではない。
大きく3つの派閥に分かれている。
1つは、エルカディア侯爵を中心とした『エルカディア派』だ。
もう1つは、マデリン侯爵を筆頭とする『マデリン派』。
騎士団長は貴族ではないが、派閥としてはここに属する。
最後の1つが、その他の『無派閥』だ。
有力貴族だが敢えて様子見をしている貴族や、逆にアスター騎士爵のように末端過ぎて派閥に加わっていない貴族もいる。
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