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第5章

715話 予想外の発言

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「エウロス卿、そなたの考えを尊重しよう。騎士団長は負けたが、名誉ある騎士として相応しい戦いを見せた。よって、今回の件で咎めるような真似はせぬ。騎士団長、今後はより一層精進し、己を高めるのだ。分かったな?」

「は、ははっ! 承知しました!!」

 騎士団長が元気良く返事をする。
 こうして、騎士団長との決闘は完全に幕を下ろしたと思われたのだが――

「さて、エウロス卿――エウロス男爵よ。そなたに、さらなる褒美を与えねばならぬな」

「えっ?」

 ウルゴ陛下が予想外の発言をした。

「そなたは冒険者として数々の活躍を見せた上、エルカ迷宮を攻略した。その時点で、そなたには騎士爵を授けられる素質があった。さらには、『エルカに巣食う賊の討伐』や『エルカ西方の開拓』への期待を込めて、例外的に男爵位を与えることとなった」

「はい。ウルゴ陛下のご期待を裏切らぬよう、粉骨砕身の覚悟で働いてきました」

「うむ。だが、余は今になって思うのだ。本当に男爵位が適切だったのだろうかと。エウロス卿は、こうして近衛騎士団の団長を下し、バルドゥール王国全体の未来をも考えている」

「そんな……買い被り過ぎですよ」

 俺は苦笑いを浮かべながら答える。
 だが、ウルゴ陛下に引き下がる様子はない。
 彼は続けて、口を開くのだった。
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