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第5章
694話 騎士団長の物言い
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俺たち『悠久の風』に貸し与えられる近衛騎士はナディアに決まった。
だが、そこへ近衛騎士団の団長が口を挟んできた。
「団長として、有望な若手を引き抜かれるのは見過ごせませぬ!」
「そなたの気持ちも分からなくはないが、これは決定事項だ。諦めよ」
「しかし、陛下! いくら陛下とはいえ、団長である私の預かり知らぬところで勝手に決められては困ります!」
近衛騎士団の団長が食い下がる。
彼も相当に高い地位を持っているとはいえ、国王相手に文句を言うとはな。
命知らずだ。
どうやら、ずいぶんとナディアにご執心らしい。
彼の言葉を信じるなら、有望な若手であるナディアに期待していたのだろう。
だが、本当にそれだけだろうか?
「……。ふむ……。エウロス卿よ。こやつはこう言っておるが、そなたはどう思う? 我の権限で黙らせてやってもよいが……」
「いえ、陛下のお手を煩わせるまでもありません」
俺はウルゴ陛下の申し出を断る。
そして、言葉を続ける。
「団長殿が本当に、ナディアのことを部下として評価しているのであれば無下にはできません。しかし、今回は違います。彼は公私を混同し、自らの欲望のためにナディアを引き抜こうとしているのです」
「なっ……!?」
「ほう……?」
団長は図星を指されたのか、驚きの声を上げる。
同時に、ウルゴ陛下が興味深げに目を細めた。
俺はさらに続ける。
だが、そこへ近衛騎士団の団長が口を挟んできた。
「団長として、有望な若手を引き抜かれるのは見過ごせませぬ!」
「そなたの気持ちも分からなくはないが、これは決定事項だ。諦めよ」
「しかし、陛下! いくら陛下とはいえ、団長である私の預かり知らぬところで勝手に決められては困ります!」
近衛騎士団の団長が食い下がる。
彼も相当に高い地位を持っているとはいえ、国王相手に文句を言うとはな。
命知らずだ。
どうやら、ずいぶんとナディアにご執心らしい。
彼の言葉を信じるなら、有望な若手であるナディアに期待していたのだろう。
だが、本当にそれだけだろうか?
「……。ふむ……。エウロス卿よ。こやつはこう言っておるが、そなたはどう思う? 我の権限で黙らせてやってもよいが……」
「いえ、陛下のお手を煩わせるまでもありません」
俺はウルゴ陛下の申し出を断る。
そして、言葉を続ける。
「団長殿が本当に、ナディアのことを部下として評価しているのであれば無下にはできません。しかし、今回は違います。彼は公私を混同し、自らの欲望のためにナディアを引き抜こうとしているのです」
「なっ……!?」
「ほう……?」
団長は図星を指されたのか、驚きの声を上げる。
同時に、ウルゴ陛下が興味深げに目を細めた。
俺はさらに続ける。
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