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第5章

675話 謁見の日

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 俺はアスター騎士爵から3回のマナー講習会を受けた。
 本当は2回でも十分なくらいだったが、謁見の日程まで多少の余裕があるとのことで、万全を期したのだ。
 そして――

「うぅ……。ご主人様、お気をつけて……」

「くれぐれも陛下に無礼のないようにね」

 シルヴィとユヅキがそう言いながら見送ってくれる。
 今日は謁見の日だ。
 事前にアスター騎士爵からマナー指導も受けたし、そもそもウルゴ陛下とは一度会ったことがある。
 俺は特に心配していないのだが、『悠久の風』のみんなは違うらしい。

「コウタくん、陛下の前で粗相をしたらダメなのですよ?」

「へへっ。コウタっちなら、謁見の間だろうと関係なさそうだな」

「そうですわね。そこに女性がいれば手を出す……それがコウタ殿ですから」

「……ん。心配……」

 ミナ、リン、ローズ、ティータがそんなことを言い出す。
 俺は思わず苦笑してしまう。
 人のことを何だと思っているんだ。

「いやいや、俺は別にそういう人間じゃないからな?」

「よく言うぜ。コウタ親分なら、謁見の間で王女様に手を出してもおかしくねぇ」

「……えっと。確かにそう思います」

「でも、王女様だけはやめておいた方がいいですにゃ。せめて、隅に控えているメイドさんとかにしておくべきですにゃ」

 グレイス、エメラダ、セリアまでもが同意する。
 俺は呆れてしまう。

「お前らな……。俺はそこまで節操なしじゃないって」

「ははっ! こういうのは日頃の行いが大事なんだぞ? コウタ坊」

 ミルキーが笑い飛ばしながら慰めてくれる。
 だが、この口ぶりだと彼女もあまり信じていなさそうだ。
 残る希望は……。
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