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第5章
625話 良ポーションは体に痛し
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(まったくもう……)
そう思いながら溜め息を吐くユヅキ。
彼女とは対照的に、エメラダはとても楽しそうだ。
「あたしの新作ポーション……すごい効き目ですねぇ」
ニコニコしながら言うエメラダ。
そんな彼女に、チンピラたちが食ってかかった。
「テメェ! 何をしやがった!!」
「あのポーションは毒だったのか!?」
怒り心頭といった様子の彼に対し、エメラダは涼しい顔で答える。
「言った通りですよ? あたしが調合した回復ポーションです」
「嘘をつくんじゃねぇ! テメェのせいでリーダーが苦しんでいるだろうが!!」
怒鳴り散らすチンピラの男。
そんな彼に同調するように、他の仲間たちも騒ぎ始めた。
「……えっと。回復ポーションとは言いましたが、別に苦痛がないとは言っていません。『良ポーションは体に痛し』ってやつですね」
そんな彼らの様子を見て、エメラダが言う。
彼女は不気味な笑みを浮かべたまま、さらに続ける。
「同じ回復ポーションはまだまだありますよぉ。骨折以外にも、体のいろんな悪いところを治療できます。試してみますか?」
そう言って彼女は懐からいくつかの瓶を取り出した。
それを見たチンピラたちは青ざめて逃げようとするのだが、恐怖から足がすくんでしまったのかその場から動くことができないでいた。
そんな彼らを見て、エメラダはさらに笑みを深める。
「ふふふっ。お代はいりませんのでご安心ください」
そう言いながら、彼女は別の小瓶を取り出し――中身をチンピラたちにぶちまけてしまった。
「ぎぃやぁぁあぁぁああ!!!!」
「ひぃっ!! お、俺までぇえぇぇええ!!!」
「あぎゃあああぁっ!!!」
冒険者ギルド内に、阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていく。
こうして、ユヅキやエメラダたちは絡んできたチンピラ冒険者を撃退(?)したのである。
――余談だが、エメラダの回復ポーションの効果は絶大であった。
ミナによって引き起こされた骨折はもちろんのこと、彼らが元々持っていた内臓疾患や病巣などのあらゆる病気や怪我は完全に治療された。
それにより、Dランクでくすぶっていた彼らは後々Cランクに昇格することになる。
しかし、彼らが受けた心の傷までは癒えなかったようで……。
彼らは今後、何かに怯えたような様子で品行方正な冒険者生活を送ることになるのだった――。
そう思いながら溜め息を吐くユヅキ。
彼女とは対照的に、エメラダはとても楽しそうだ。
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「テメェ! 何をしやがった!!」
「あのポーションは毒だったのか!?」
怒り心頭といった様子の彼に対し、エメラダは涼しい顔で答える。
「言った通りですよ? あたしが調合した回復ポーションです」
「嘘をつくんじゃねぇ! テメェのせいでリーダーが苦しんでいるだろうが!!」
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そんな彼に同調するように、他の仲間たちも騒ぎ始めた。
「……えっと。回復ポーションとは言いましたが、別に苦痛がないとは言っていません。『良ポーションは体に痛し』ってやつですね」
そんな彼らの様子を見て、エメラダが言う。
彼女は不気味な笑みを浮かべたまま、さらに続ける。
「同じ回復ポーションはまだまだありますよぉ。骨折以外にも、体のいろんな悪いところを治療できます。試してみますか?」
そう言って彼女は懐からいくつかの瓶を取り出した。
それを見たチンピラたちは青ざめて逃げようとするのだが、恐怖から足がすくんでしまったのかその場から動くことができないでいた。
そんな彼らを見て、エメラダはさらに笑みを深める。
「ふふふっ。お代はいりませんのでご安心ください」
そう言いながら、彼女は別の小瓶を取り出し――中身をチンピラたちにぶちまけてしまった。
「ぎぃやぁぁあぁぁああ!!!!」
「ひぃっ!! お、俺までぇえぇぇええ!!!」
「あぎゃあああぁっ!!!」
冒険者ギルド内に、阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていく。
こうして、ユヅキやエメラダたちは絡んできたチンピラ冒険者を撃退(?)したのである。
――余談だが、エメラダの回復ポーションの効果は絶大であった。
ミナによって引き起こされた骨折はもちろんのこと、彼らが元々持っていた内臓疾患や病巣などのあらゆる病気や怪我は完全に治療された。
それにより、Dランクでくすぶっていた彼らは後々Cランクに昇格することになる。
しかし、彼らが受けた心の傷までは癒えなかったようで……。
彼らは今後、何かに怯えたような様子で品行方正な冒険者生活を送ることになるのだった――。
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