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第5章
599話 ジャンピング土下座
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俺はギルマス及び盗賊を撃破した。
捕らえようとしたところ、彼から衝撃的な事実を告げられる。
この襲撃は、ウルゴ陛下からの指示で行った『試験』だったらしい。
言い訳じみているが、国王の名前まで出されては無視することはリスクがある。
「ふん……。話だけは聞いてやらんでもない。だが、一方的に襲撃しておいて簡単に許されるとでも? 後ろの盗賊たちともども、然るべき罰を与えてやろうか?」
「何卒、ご勘弁を。彼らは王都ギルドの冒険者たちなのです。Cランクの者たちを中心に、今回の件のために手配した者が大半ですが……彼らに罪はありませんので」
ふむ……一応筋が通っているように感じるな。
ウルゴ陛下からギルマスに依頼があり、ギルマスがCランク冒険者を手配したと。
「だがな……」
「私たちとしても、エウロス男爵を襲っておいて簡単に許されるとも思っていません。――おい、てめぇら。”アレ”をやるぞ」
ギルマスが背後の仲間たちに声をかけた。
Cランク冒険者たちはハッとした表情になり、ヨロヨロと立ち上がる。
「へへへ……」
「Aランク冒険者様はお強いなぁ……」
「くくく……」
俺から受けたダメージは甚大だが、なんとか動けるだけの余力は残っていたらしい。
ギルマスとCランク冒険者たちが、俺を取り囲む。
何やら不穏な雰囲気だ。
「お前ら正気か? 俺には勝てないと理解していないのか?」
俺が尋ねると、ギルマスはニヤリと笑う。
「ふふふ。それは痛いほど理解しましたとも。しかし、それならばそれでやりようはあるものです。――やれっ!!」
「うおおおぉ!!」
「はあああぁっ!!」
ギルマスの言葉と同時に、彼やCランク冒険者たちが一斉に動く。
軽快に飛び上がったかと思うと、そのまま空中で一回転し、地面に着地したのだ。
これはまさか……!
「「「どうか許してください!!!」」」
次の瞬間、彼らは一斉に土下座していた。
Aランク冒険者にして男爵の俺を前に、一切の躊躇もなくジャンピング土下座を敢行したのである。
「……ちっ。分かった分かった! もういい! 顔を上げてくれ! 男に土下座されても鬱陶しいだけだ!!」
ここまでされて許さないわけにはいかないだろう。
彼らの覚悟は十分に伝わったしな。
そもそも、最初からそこまで怒っていたわけでもない。
こいつらも、ウルゴ陛下からの無茶振りを受けた被害者なのだ。
多少なり同情の念も湧くというものである。
これが女冒険者であれば、土下座させた状態からいろいろとイタズラをしたくなったかもしれないけどな。
「あ、ありがとうございます! お慈悲に感謝いたします!」
ギルマスがガバッと顔を上げる。
その顔には安堵の表情が浮かんでおり、本気で感謝しているようだ。
他の連中からも安堵の雰囲気が伝わってくる。
捕らえようとしたところ、彼から衝撃的な事実を告げられる。
この襲撃は、ウルゴ陛下からの指示で行った『試験』だったらしい。
言い訳じみているが、国王の名前まで出されては無視することはリスクがある。
「ふん……。話だけは聞いてやらんでもない。だが、一方的に襲撃しておいて簡単に許されるとでも? 後ろの盗賊たちともども、然るべき罰を与えてやろうか?」
「何卒、ご勘弁を。彼らは王都ギルドの冒険者たちなのです。Cランクの者たちを中心に、今回の件のために手配した者が大半ですが……彼らに罪はありませんので」
ふむ……一応筋が通っているように感じるな。
ウルゴ陛下からギルマスに依頼があり、ギルマスがCランク冒険者を手配したと。
「だがな……」
「私たちとしても、エウロス男爵を襲っておいて簡単に許されるとも思っていません。――おい、てめぇら。”アレ”をやるぞ」
ギルマスが背後の仲間たちに声をかけた。
Cランク冒険者たちはハッとした表情になり、ヨロヨロと立ち上がる。
「へへへ……」
「Aランク冒険者様はお強いなぁ……」
「くくく……」
俺から受けたダメージは甚大だが、なんとか動けるだけの余力は残っていたらしい。
ギルマスとCランク冒険者たちが、俺を取り囲む。
何やら不穏な雰囲気だ。
「お前ら正気か? 俺には勝てないと理解していないのか?」
俺が尋ねると、ギルマスはニヤリと笑う。
「ふふふ。それは痛いほど理解しましたとも。しかし、それならばそれでやりようはあるものです。――やれっ!!」
「うおおおぉ!!」
「はあああぁっ!!」
ギルマスの言葉と同時に、彼やCランク冒険者たちが一斉に動く。
軽快に飛び上がったかと思うと、そのまま空中で一回転し、地面に着地したのだ。
これはまさか……!
「「「どうか許してください!!!」」」
次の瞬間、彼らは一斉に土下座していた。
Aランク冒険者にして男爵の俺を前に、一切の躊躇もなくジャンピング土下座を敢行したのである。
「……ちっ。分かった分かった! もういい! 顔を上げてくれ! 男に土下座されても鬱陶しいだけだ!!」
ここまでされて許さないわけにはいかないだろう。
彼らの覚悟は十分に伝わったしな。
そもそも、最初からそこまで怒っていたわけでもない。
こいつらも、ウルゴ陛下からの無茶振りを受けた被害者なのだ。
多少なり同情の念も湧くというものである。
これが女冒険者であれば、土下座させた状態からいろいろとイタズラをしたくなったかもしれないけどな。
「あ、ありがとうございます! お慈悲に感謝いたします!」
ギルマスがガバッと顔を上げる。
その顔には安堵の表情が浮かんでおり、本気で感謝しているようだ。
他の連中からも安堵の雰囲気が伝わってくる。
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