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第5章
592話 素晴らしい人材
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「分かりました。チセ殿とヒナタ殿ですね。彼女たちは、EランクからDランクへの昇格となります」
「そうか。順調な滑り出しだな」
彼女たちは、ミルキーやルンよりも加入時期が遅い。
そして、ネリスのように以前からの戦闘経験などもない。
この短期間でDランクまで上り詰めたのだから大したものだ。
(もっとも、これは俺が色々手助けをしたことも関係しているのだが)
彼女たちはAランクパーティ『悠久の風』の新入りであり、その庇護下にある。
魔物狩りの際には、それぞれの実力に似合った魔物や賊と戦ってもらうように調整しているし、他のメンバーで護衛もしている。
おかげで彼女たちは比較的安全に冒険者活動を行うことができている。
その結果、安全かつ効率的に成長することができたのだ。
Dランクまでは順調に駆け上がったと言える。
問題はここからだ。
この先も問題なく成長していけるかどうか――それを見極めなければならない。
「いやはや、それにしても素晴らしい人材に恵まれましたなぁ!」
ギルドマスターが満面の笑みで言う。
彼が喜んでいる理由は分かる。
チセとヒナタが、それぞれ珍しいジョブを持っているからだ。
強い冒険者パーティが活躍すれば、冒険者ギルドに恩恵をもたらす。
俺たち『悠久の風』の成長は、ギルマスとしても喜ばしいことである。
「確かにな。ここまで将来有望な新人が入ってくれるとは思わなかったよ」
まずチセだが、彼女のジョブは『眠魔法使い』だ。
これは相当にレアなジョブである。
生来の才能を持っている者もいるが、彼女の場合は後天的に適性を得た。
難病である『過剰魔力症』を発症したことで、体質が変わったらしい。
それによって、今まで使えなかった魔法を使うことができるようになったわけだ。
彼女の『過剰魔力症』自体が珍しい病であると同時に、そこから無事に完治できる者はさらに少ない。
MSCでは『そこそこ厄介』ぐらいの存在だったのだが……この世界では治療法が確立していないからな。
無事に完治したとして、その後に『眠魔法使い』として適切な指導を受けられる者はかなり限られてくる。
だから、チセのような存在は非常に貴重というわけだ。
次にヒナタだが、彼女のジョブは『火妖術使い』だ。
この世界には魔法というものが広く普及している。
その一方で、妖術と呼ばれるものはあまり一般的ではない。
ごく一部の少数種族や国家でのみ伝承されているものだ。
ヒナタの『火妖術』は、俺やミナの『火魔法』とはまた違った性質を持つ。
今後、パーティとして戦略の幅が広がっていくだろう。
「そうか。順調な滑り出しだな」
彼女たちは、ミルキーやルンよりも加入時期が遅い。
そして、ネリスのように以前からの戦闘経験などもない。
この短期間でDランクまで上り詰めたのだから大したものだ。
(もっとも、これは俺が色々手助けをしたことも関係しているのだが)
彼女たちはAランクパーティ『悠久の風』の新入りであり、その庇護下にある。
魔物狩りの際には、それぞれの実力に似合った魔物や賊と戦ってもらうように調整しているし、他のメンバーで護衛もしている。
おかげで彼女たちは比較的安全に冒険者活動を行うことができている。
その結果、安全かつ効率的に成長することができたのだ。
Dランクまでは順調に駆け上がったと言える。
問題はここからだ。
この先も問題なく成長していけるかどうか――それを見極めなければならない。
「いやはや、それにしても素晴らしい人材に恵まれましたなぁ!」
ギルドマスターが満面の笑みで言う。
彼が喜んでいる理由は分かる。
チセとヒナタが、それぞれ珍しいジョブを持っているからだ。
強い冒険者パーティが活躍すれば、冒険者ギルドに恩恵をもたらす。
俺たち『悠久の風』の成長は、ギルマスとしても喜ばしいことである。
「確かにな。ここまで将来有望な新人が入ってくれるとは思わなかったよ」
まずチセだが、彼女のジョブは『眠魔法使い』だ。
これは相当にレアなジョブである。
生来の才能を持っている者もいるが、彼女の場合は後天的に適性を得た。
難病である『過剰魔力症』を発症したことで、体質が変わったらしい。
それによって、今まで使えなかった魔法を使うことができるようになったわけだ。
彼女の『過剰魔力症』自体が珍しい病であると同時に、そこから無事に完治できる者はさらに少ない。
MSCでは『そこそこ厄介』ぐらいの存在だったのだが……この世界では治療法が確立していないからな。
無事に完治したとして、その後に『眠魔法使い』として適切な指導を受けられる者はかなり限られてくる。
だから、チセのような存在は非常に貴重というわけだ。
次にヒナタだが、彼女のジョブは『火妖術使い』だ。
この世界には魔法というものが広く普及している。
その一方で、妖術と呼ばれるものはあまり一般的ではない。
ごく一部の少数種族や国家でのみ伝承されているものだ。
ヒナタの『火妖術』は、俺やミナの『火魔法』とはまた違った性質を持つ。
今後、パーティとして戦略の幅が広がっていくだろう。
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