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第5章

577話 ずっと傍に

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「そういうことだ」

「そ、そんな! どうして、こんなことを! 我はもてあそばれたのか!?」

 彼女が泣きそうになっている。

「ナディアは勘違いをしているな」

「えっ……?」

「別に俺はお前をもてあそんだつもりはない。むしろ逆だ」

「どういう意味なんだ?」

 ナディアは首を傾げる。

「俺は女性をないがしろにするつもりはない。慕ってくれる女性は大切に扱う」

「…………」

「ナディアが望むなら、俺にずっと付いてくればいい。ハーレムメンバーとして、パーティメンバーとして大切にしよう。子どもができたら、その子たちも立派な仲間として育てる」

「……本当なのか? 我をずっと傍に置いてくれるのか?」

「もちろんだ」

「うぅ……。うわーん!」

 ナディアは号泣し始めた。
 よほど嬉しかったらしい。

「泣くな」

 俺はナディアを抱きしめた。
 そして、優しく頭を撫でてやる。

「こんな……我のようなガサツな女でも受け入れてくれるというのか?」

「ああ。ナディアは魅力的だよ。誇り高き騎士じゃないか」

「嬉しい……」

 ナディアは涙を拭いた。

「さて、これからどうするかだ。まずは村を出る準備をしよう。みんなが起きる前に済ませるんだ」

「彼女たちは放置しておいていいのか? エウロス男爵殿の女になったのでは?」

 ナディアがベッド上の村娘たちに視線を向ける。
 なかなかに壮絶な光景だ。

「問題ないさ。確かに、彼女たちと俺の間には子どもができているかもしれない。だがそれはあくまでも村の方針さ。俺という強者の血を取り入れたいというな」

「なるほど」

「もちろん事務的に関係を持ったわけではなくて、一定の情も感じているがな。王都の件や俺の領地開拓の件が落ち着いたら、またここに来ることもあるだろう」

「分かった」

 ナディアは納得してくれたようだ。

「じゃあ、まずは服を着ようか」

「ああ」

 俺とナディアは服を身に纏っていく。
 そして、外に出る。
 そこにはシルヴィが待っていた。
 腕を組み、仁王立ちをしている。

「おわぁっ!? シルヴィ!?」

「おはようございます! ご主人様! 朝からお楽しみだったみたいですね!」
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