社畜だけど転移先の異世界で【ジョブ設定スキル】を駆使して世界滅亡の危機に立ち向かう ～【最強ハーレム】を築くまで、俺は止まらねぇからよぉ！～

第５章

５５２話 生け捕り？

「申し訳ないが却下だな。今回は、ジョブレベルを上げることを優先しようぜ」

　毒殺した場合、経験値が低減してしまう。
　このあたりの判定基準は、ＭＳＣでも明示はされていなかった。
　ざっくり言えば、戦闘中に毒ナイフなどで相手を毒状態にして討伐した際には、通常通りの経験値が手に入る。
　しかし一方で、例えば森に毒リンゴをばらまいてそれを食べた魔物が毒死した場合は、少なめの経験値しか入らなかった。

　正攻法では対処できない相手であればそういった搦め手も大切である。
　だが、たかが小規模盗賊団ごときであれば正面から討伐すればいいだろう。

「了解なのです！」

「へへっ。腕がなるぜ！」

　ミナとリンがやる気満々である。

「……がんばろう……」

「わたくしもベストを尽くしますわ」

　ティータとローズも同意してくれた。

「エウロス男爵殿。盗賊どもとて、殺すには忍びない……。生け捕りにして、王都で奴隷として売却するので問題ないのだな？」

「ああ。ま、抵抗しなければの話だがな。俺たちの邪魔をするなら、討伐でいいだろう」

　女騎士ナディアの言葉に、俺はそう答える。
　犯罪歴のある男の奴隷は、さほどの値段がつかない。
　はっきり言って、俺たちが普通のパーティであれば盗賊は殺すしか選択肢がない。
　王都に連れていくまでに逃げられるリスクがあるからな。

　いや、逃げられるだけならまだいい。
　最悪なのは、王都へ到着する間際に逃げられ、再び犯罪を犯されることだ。
　その場合、監督責任を問われることもある。
　逃げられることなく無事に王都まで運んだところで、売却額は微妙。
　そこに至るまでにも最低限の食事程度は分け与える必要があるし、手間も掛かる。

　俺たちは全員が強くて逃亡されるリスクが小さく、俺の『ストレージ』には大量の食料が入っているので、そのあたりの条件はさほどの負担にならない。
　大人しく捕まってくれる盗賊がいれば、討伐せずに生け捕りにしてもいい。