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第5章

530話 女騎士ナディア

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 チュンチュン。
 朝に鳴く鳥の声が聞こえる。
 昨日は遅くまで飲んで騒いだため、少しだけ二日酔いだ。
 まぁ、俺の場合はジョブレベルに対応した高い毒耐性があるから、完全な二日酔いにはならないけどな。

「んっ……。あへぇ……」

 隣を見ると、俺の可愛いペットが寝言を呟いている。
 今日も元気そうだな。

「ふわ~~~~~~」

 彼女が大きな欠伸をしながら、ベッドの上で体を起こす。
 俺の可愛いペット――ナディアが目を覚ましたようだ。

「おはよう、ナディア」

「……え?」

「え? じゃない。もう朝だぞ」

 俺は起き上がり、カーテンを開ける。
 窓から差し込む光が眩しい。

「な、なぜ貴殿がここにいるのだ!」

「何言っているんだよ。ここは俺たち『悠久の風』が活動拠点にしている宿屋だ。俺がいるのは当たり前だろう?」

 俺は、ナディアの叫び声を聞き流し、窓を開けて空気を入れ換える。
 朝の新鮮な空気が心地よい。

「我はなぜこんな場所に……? うっ、股が痛い……。あ、ああっ! これは……っ!!」

「おい、どうした!?」

 ナディアが急に頭を両手で抱え、苦しみ始めた。

「我は……。我はなんということをしてしまったんだ……」

「だからどうした! 何があったんだ!!」

「こ、これを……」

 ナディアは顔を真っ青にしながら、ベッドを指差す。
 そこには、赤い染みが広がっていた。

「それがどうした? ただの破瓜の血じゃないか」

「な、何を落ち着いている! これがどういうことか分かっているのか!!」

「ああ、もちろんだ。お前が俺の女になったということだろ?」

「な、な、なな……」

 ナディアは口をパクパクさせながら言葉を失う。

「これでお前は俺のモノになったわけだ。まぁ、俺のハーレムに入るって意味だけどな」

「なっ!! そ、そんな……」

「嫌なのか? 俺の女になるのは……」

「……」

「黙っていては分からない。ちゃんと言葉で答えてくれ」
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