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第5章
529話 料亭ハーゼで打ち上げ 後編
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「はわわ……。お、お肉がこんなにたくさん……。じゅるり……」
「どうした? ヒナタ。遠慮せずに食べるといい」
「う、うん! ぼく、たくさん食べる!!」
俺の隣に座っていたヒナタは、俺の言葉を聞いて食事に手を付け始める。
彼女は『毒蛇団』に捕らえられていた赤狐族の奴隷だ。
故郷が滅ぼされて行き場もないそうだし、俺たちが引き取ることになった。
「ご主人しゃま、ありがとう!!」
「いや、気にするな」
赤狐族は、人族とあまり交流を持ってこなかった少数部族だ。
やや言語体系が異なるため、言葉遣いが少し怪しい。
まぁ、気にするほどでもないが。
(それにしても、俺たち『悠久の風』もずいぶんと大所帯になったものだ)
俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズ、グレイス、エメラダ、セリア。
冒険者ギルドに登録しているという意味での狭義の『悠久の風』は、この10人である。
そして、ミルキー、ルン、ネリス、チセ、ヒナタ。
冒険者ギルドには登録していないが俺のシステムスキル上では登録しているという意味での広義の『悠久の風』は、この5人も含まれる。
彼女たちは、これから開拓する予定のエウロス男爵領の発展に欠かせない存在となるだろう。
そして――
「…………」
難しい顔で食事をしているのは、『悠久の風』のメンバーではない。
「ナディア。料理は美味しくないか?」
彼女は女騎士ナディア。
俺がウルゴ陛下から爵位を賜った際に、いろいろと仕切っていた者だ。
今回、『毒蛇団』の掃討作戦の進捗状況を確認するためにエルカの町を再訪したのである。
ちょうどタイミングが良かったので、こうして打ち上げに誘った感じだ。
「……料理は十分に美味だ。だが……」
「だが?」
「……いや、何でもない。英雄は色を好むと言う……。我がどうこう言う問題でもなかろう……」
ナディアはそう言って黙々と食べ進める。
「ほら、お前も飲め」
「むっ? 我は酒はあまり得意ではないが」
「大丈夫だ。酒精は弱めにしておいたから」
「……そ、そういうことなら」
俺は、酒を勧めながら彼女の表情を観察する。
いつもは凛々しい彼女が、どこか物憂げな様子だ。
何か悩み事でもあるのかねぇ……。
今晩、たっぷりと話に乗ってあげようではないか。
そう、たっぷりとな……。
「どうした? ヒナタ。遠慮せずに食べるといい」
「う、うん! ぼく、たくさん食べる!!」
俺の隣に座っていたヒナタは、俺の言葉を聞いて食事に手を付け始める。
彼女は『毒蛇団』に捕らえられていた赤狐族の奴隷だ。
故郷が滅ぼされて行き場もないそうだし、俺たちが引き取ることになった。
「ご主人しゃま、ありがとう!!」
「いや、気にするな」
赤狐族は、人族とあまり交流を持ってこなかった少数部族だ。
やや言語体系が異なるため、言葉遣いが少し怪しい。
まぁ、気にするほどでもないが。
(それにしても、俺たち『悠久の風』もずいぶんと大所帯になったものだ)
俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズ、グレイス、エメラダ、セリア。
冒険者ギルドに登録しているという意味での狭義の『悠久の風』は、この10人である。
そして、ミルキー、ルン、ネリス、チセ、ヒナタ。
冒険者ギルドには登録していないが俺のシステムスキル上では登録しているという意味での広義の『悠久の風』は、この5人も含まれる。
彼女たちは、これから開拓する予定のエウロス男爵領の発展に欠かせない存在となるだろう。
そして――
「…………」
難しい顔で食事をしているのは、『悠久の風』のメンバーではない。
「ナディア。料理は美味しくないか?」
彼女は女騎士ナディア。
俺がウルゴ陛下から爵位を賜った際に、いろいろと仕切っていた者だ。
今回、『毒蛇団』の掃討作戦の進捗状況を確認するためにエルカの町を再訪したのである。
ちょうどタイミングが良かったので、こうして打ち上げに誘った感じだ。
「……料理は十分に美味だ。だが……」
「だが?」
「……いや、何でもない。英雄は色を好むと言う……。我がどうこう言う問題でもなかろう……」
ナディアはそう言って黙々と食べ進める。
「ほら、お前も飲め」
「むっ? 我は酒はあまり得意ではないが」
「大丈夫だ。酒精は弱めにしておいたから」
「……そ、そういうことなら」
俺は、酒を勧めながら彼女の表情を観察する。
いつもは凛々しい彼女が、どこか物憂げな様子だ。
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今晩、たっぷりと話に乗ってあげようではないか。
そう、たっぷりとな……。
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