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第5章

527話 料亭ハーゼで打ち上げ 前編

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「それでは……任務の達成を祝して、乾杯!!」

「「「かんぱーい!!!!」」」

 俺たちは料亭ハーゼで打ち上げをしている。
 参加者は16人。
 まずは『悠久の風』の実動隊である俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズ、グレイス、エメラダ、セリアで10人。
 『悠久の風』の支援隊であるミルキー、ルン、ネリスの3人。
 『悠久の風』の新人コンビのチセとヒナタの2人。
 そして、王都から来ている女騎士ナディアだ。

 『毒蛇団』の頭領アルヴィンは俺がぶち殺したし、中堅や下っ端どもも片っ端から掃討した。
 少しばかりの残党も、この数日で全て駆除されている。
 もはやこの町に『毒蛇団』の脅威は残っていないと言っていい。
 つまり、依頼を達成したのだから、打ち上げをするのは何もおかしいことはないのだ。

「ご主人様! お疲れ様です!!」

「ありがとう、シルヴィ」

 シルヴィがグラスにワインを注いでくれる。
 そういえば、以前もこんなことがあった気がする。
 あの時は、まだ『悠久の風』のメンバーがもっと少ない時だったな。
 あれからたった数ヶ月しか経っていないのが嘘みたいだ。

「コウタ、本当にお疲れ様」

「ああ、ユヅキ。お前もな」

 ユヅキが労わるように微笑んでくれた。
 彼女は『悠久の風』の中でも古株だ。
 高い戦闘能力と安定した判断力で、パーティに大きく貢献してくれている。
 俺は好き勝手に動くし、シルヴィは俺に付きっきりだ。
 このパーティの柱は彼女と言っても過言ではない。

「しかし、ミルキーとルンがさらわれた時はどうなるかと思ったぞ。俺の判断ミスで怖い思いをさせてしまったな」

「あれは確かに怖かった。……でも、コウタ坊が助けに来てくれて……嬉しかった」

「あはは。ミルキーさんが乙女になっているのです」

 顔を赤らめるミルキーを、ミナがからかう。
 二人は従姉妹の関係だ。
 背丈はミルキーの方が小さいが、彼女が年上である。
 一般的には行き遅れの年増とさえ言われてしまうぐらいの年齢だ。
 だが、こうして照れる仕草は、かなり可愛らしい。
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