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第5章

518話 事後処理

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 宿屋に到着した俺たちを迎えたのは、女将や衛兵たちだった。
 何やら殺気立っている。
 衛兵は俺たちに気付くと、姿勢を正してこちらに向き直った。

「これはエウロス卿! ご無事でしたか!」

「うむ。それで、何かあったのか? 戦闘態勢を整えているようだが……」

「もちろん、エウロス卿のお手伝いをするために決まっております! 我々はいつでも出撃可能ですぞ!」

「出撃? ……ああ、『毒蛇団』の掃討作戦の話か。だが、それはもう済んだ。俺たちが全員、討ち取ったからな」

「……は?」

「聞こえなかったか? 奴らは俺たち『悠久の風』が粉砕した」

「な、なんですと!? まさか、わずかこれだけの手勢で奴らを殲滅されたのですか?」

「まぁ、そんなところだ」

 俺は適当に相槌を打つ。
 わずかな手勢とは言うが、『悠久の風』の人数はそれなりに多くなってきている。
 俺、シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズ、グレイス、エメラダ、セリア。
 この10人で『毒蛇団』を破った。

 さらには、奴らから寝返ったばかりのネリスに、戦闘能力はないもののスラムの地理に詳しいチセの協力もあった。
 ミルキーとルンも、今回はさらわれたため出番がなかったが、戦闘能力や生産系ジョブによる後方支援の能力は高い。

 あとは……今回保護したヒナタにも期待できるかもしれない。
 実は、『パーティメンバー設定』の条件は既に満たしている。
 事後処理が終わって落ち着いた頃を見計らって、本人の意思を確認してみよう。

「流石はエウロス卿ですな……。これで、このエルカの町にも平和が訪れるでしょう」

「そうなってくれると俺たちも頑張った甲斐があるってものだ」

 俺たちはある程度の情報交換を済ませ、別れた。
 彼らの一部は、引き続き一階で警備をしてくれるそうだ。
 まぁ、『毒蛇団』の残党がいないとも限らないしな。
 おそらくは杞憂だろうが、念には念を入れるぐらいでちょうどいい。

 さて。
 ヒナタをしっかり休ませてあげるとするか。
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