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第5章
472話 『毒蛇団』の本拠地?
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チセの治療を継続しつつも俺は『毒蛇団』の掃討作戦を継続中である。
シルヴィやユヅキたち『悠久の風』の総力を結集し、奴らの情報を集めた。
そして――
「奴らの本拠地はここの可能性が高い。そうだな? みんな」
「はい! 間違いないかと思います!」
「そうだね。少なくとも、僕たちが集めた情報ではその可能性が高い」
「無法者たちを一網打尽にするチャンスですわね。民に平穏をもたらすため、今こそ攻め入る時ですわ」
俺の言葉を受けて、シルヴィ、ユヅキ、ローズや他のみんなが力強く同意してくれた。
『毒蛇団』は無法者の集団だ。
特に頭目の『毒霧』のアルヴィンはAランク冒険者に匹敵する戦闘能力を持っているらしい。
油断せずに掃討する必要がある。
「よし、それじゃあ準備を整えて出発だ。今回は俺が先頭を歩く。皆はその後ろに続け」
「「「了解!」」」
俺が先頭に立ち、そのすぐ後ろを仲間たちがついてくる形となる。
また、周囲をぐるっと囲むように町の衛兵も配置している。
あまり目立つと逃げられる可能性が高まるので、人数は最低限に抑えているが、それでもかなりの大所帯だ。
「…………」
俺は建物の扉の前に立つ。
耳を澄ませるが、中に人の気配はないようだ。
魔力の気配もない。
妙だな?
ここが奴らの拠点なら、強めの気配が何人もいるはずなのだが。
まぁいい。
とりあえず中に入るか。
「……行くぞ」
小さく声をかけてから、俺はゆっくりと扉を開く。
ギィッという音を立てて、扉が開いた。
中は薄暗い。
俺は目線だけで周囲を確認する。
誰もいないのか?
「ふぅむ。おかしいな? ここが奴らの本拠地だったはずなのだが……」
情報通り、1階は酒場に偽装されている。
だが、客はおろか店員の姿も見えない。
「誰もいないようですね」
「あぁ。だが、酒や料理の匂いはほのかに残っている。少なくとも数日前まで、ここで飲み食いがされていたのは確かなはずだ」
俺は首を傾げる。
たまたま休業日に突撃してしまった感じか?
いや、この世界の飲食店は年中無休が普通だ。
そもそも、『毒蛇団』の本拠地としての機能を隠す目的なら、なおのこと年中無休で営業した方がいいだろう。
このタイミングで無人になるなど、何か違和感を覚える。
「コウタ。1階には誰もいないみたいだけど。2階を探す?」
「そうだな。2階からも気配は感じないが、一応見ておくか」
多種多様なジョブを持っている俺は、索敵や気配察知の能力にもそこそこ優れている。
1階にいる今の状態からでも、2階にいる人の気配は本来ある程度は感じ取れる。
だが、この建物の2階からは、ほとんど何も感じ取ることができなかった。
2階にいる人たちはよほど存在感が薄いのだろうか?
それとも――。
俺は考えを巡らせるのだった。
シルヴィやユヅキたち『悠久の風』の総力を結集し、奴らの情報を集めた。
そして――
「奴らの本拠地はここの可能性が高い。そうだな? みんな」
「はい! 間違いないかと思います!」
「そうだね。少なくとも、僕たちが集めた情報ではその可能性が高い」
「無法者たちを一網打尽にするチャンスですわね。民に平穏をもたらすため、今こそ攻め入る時ですわ」
俺の言葉を受けて、シルヴィ、ユヅキ、ローズや他のみんなが力強く同意してくれた。
『毒蛇団』は無法者の集団だ。
特に頭目の『毒霧』のアルヴィンはAランク冒険者に匹敵する戦闘能力を持っているらしい。
油断せずに掃討する必要がある。
「よし、それじゃあ準備を整えて出発だ。今回は俺が先頭を歩く。皆はその後ろに続け」
「「「了解!」」」
俺が先頭に立ち、そのすぐ後ろを仲間たちがついてくる形となる。
また、周囲をぐるっと囲むように町の衛兵も配置している。
あまり目立つと逃げられる可能性が高まるので、人数は最低限に抑えているが、それでもかなりの大所帯だ。
「…………」
俺は建物の扉の前に立つ。
耳を澄ませるが、中に人の気配はないようだ。
魔力の気配もない。
妙だな?
ここが奴らの拠点なら、強めの気配が何人もいるはずなのだが。
まぁいい。
とりあえず中に入るか。
「……行くぞ」
小さく声をかけてから、俺はゆっくりと扉を開く。
ギィッという音を立てて、扉が開いた。
中は薄暗い。
俺は目線だけで周囲を確認する。
誰もいないのか?
「ふぅむ。おかしいな? ここが奴らの本拠地だったはずなのだが……」
情報通り、1階は酒場に偽装されている。
だが、客はおろか店員の姿も見えない。
「誰もいないようですね」
「あぁ。だが、酒や料理の匂いはほのかに残っている。少なくとも数日前まで、ここで飲み食いがされていたのは確かなはずだ」
俺は首を傾げる。
たまたま休業日に突撃してしまった感じか?
いや、この世界の飲食店は年中無休が普通だ。
そもそも、『毒蛇団』の本拠地としての機能を隠す目的なら、なおのこと年中無休で営業した方がいいだろう。
このタイミングで無人になるなど、何か違和感を覚える。
「コウタ。1階には誰もいないみたいだけど。2階を探す?」
「そうだな。2階からも気配は感じないが、一応見ておくか」
多種多様なジョブを持っている俺は、索敵や気配察知の能力にもそこそこ優れている。
1階にいる今の状態からでも、2階にいる人の気配は本来ある程度は感じ取れる。
だが、この建物の2階からは、ほとんど何も感じ取ることができなかった。
2階にいる人たちはよほど存在感が薄いのだろうか?
それとも――。
俺は考えを巡らせるのだった。
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