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第5章

448話 邪魔するぜぇ

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 スラムの調査に乗り出した俺は、チンピラを締め上げて情報を聞き出した。

「ふむ。ここが怪しい家か……」

 チンピラの情報によれば、1年ほど前に怪しい男たちが出入りしていたらしい。
 それから少しして怪しい奴らの出入りはなくなり、さらに少しして誰かが移り住んできたという。
 今現在住んでいいる者が『毒蛇団』の関係者かどうかは分からないが、何かしらの情報を持っている可能性は十分にある。
 ここは高圧的に毅然とした対応が必要だろう。

「ふんっ!」

 俺は家のドアを蹴破る。

「邪魔するぜぇ」

「きゃあっ!? な、何ですかあなたは?」

 そこには女性がいた。
 年齢は30歳くらいだろうか?
 やや年は重ねているが、そこそこ美人である。

「て、てめえ! いったい何の用だっ!」

 男の声が聞こえた。
 見ると、奥の部屋から男が飛び出してきていた。

「俺はコウタだ。この家が『毒蛇団』と関係しているとの情報があり、調査に来た。お前たちは、ここで何をしていた?」

 俺は威圧するように言う。
 すると、男の顔が引きつった。

「な、何だと? 『毒蛇団』だって?」

「そう言っただろう。お前たちがその組織のメンバーなのか?」

「そ、そんなわけあるかっ! 俺たちは他の町から移り住んできたばかりだぞ! そんな俺たちがどうして犯罪組織の人間なんだよ! ふざけんじゃねえ!」

 ふむ。
 先ほどのチンピラからの情報と一致するか。
 移り住んできただけで、『毒蛇団』とは関係ない可能性もありそうだ。
 しかし、全面的に信用するわけにはいかない。
 疑わしきは罰せよ……とまでは言わないが、疑わしきにはしっかり聞き取り調査が必要だ。

「なら、質問を変えよう。お前たちは何者だ?」

「お、俺は冒険者だよ。Dランクだけどな」

 男が答える。
 確かに、それなりには鍛えているようだ。
 冒険者というのも間違いはなさそうか。

 Dランクの稼ぎはさほどでもない。
 日本の感覚で言えば、年収300万円ぐらいだろうか。
 実際の収入はもう少し多いのだが、冒険者は武具のメンテナンスで費用が嵩むし、ケガのリスクもある。
 生活費として使える額という意味では、それぐらいになるだろう。

「Dランクの稼ぎなら、もう少し頑張れば一般街に住むことも可能だろう? 怪しいな……」

「だから、引っ越してきたばっかりだって言っただろうが! 余裕がねぇんだよ!!」

 男がそう説明する。

「ふん、まぁいい。勝手に調査させてもらうぞ」

 怪しくないような気もするし、怪しいような気もする。
 ここは他の部屋も見て回り、しっかりと確認しておくべきだろう。
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