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第5章
446話 質問
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俺はスラムへ調査に訪れた。
チンピラ3人に絡まれたので返り討ちにしてやった。
「さっき言った通り、俺は別にケンカしに来たわけじゃない。『毒蛇団』の情報を知りたいんだ。正直に答えてくれるとありがたい。そうすれば、見逃してやらんこともないぞ?」
まぁ、こいつらはこいつらで、貴族である俺に対する傷害未遂という罪はあるが。
細かいことはいいだろう。
悪名高い『毒蛇団』の殲滅が最優先だ。
こんなチンピラ程度に拘っている場合ではない。
「……分かった。降参だ」
男は観念したようだった。
「よし。じゃあ、質問に答えてもらおうか」
「お、俺たちは『毒蛇団』とは関係ねぇ。ただのスラムの住民だ」
「そうか。では、次の質問だ。『毒蛇団』の頭目の名前を知っているか?」
「頭目は『毒霧』のアルヴィンっていう名前だ」
「ほう」
まぁ、それぐらいは俺も知っているけどな。
尋問のコツは、最初から最重要な事項を聞き出そうとしないことだ。
最初はあえて遠回りをして、答えてくれそうなところから攻めていく。
そして、徐々に核心に近づいていく。
それが情報を引き出すための基本戦術なのだ。
「『毒蛇団』の構成員の知り合いはいるか?」
「いや、知らねぇ」
「んん? 知らないのか?」
「本当だって! 俺たちは本当に無関係なんだ!」
必死に弁明する男。
顔には冷や汗をかいている。
これは嘘ではないかもしれないな。
「あいつらはスラムでも有名な組織なんじゃないのか?」
「その通りだ。あいつらは本当にヤベエ。だから、関わらねぇようにしていたんだよ」
「ふむ……」
こいつはスラムに住むチンピラだ。
見るからに無法者だ。
実際、俺が貴族だと知りつつ、襲いかかってきた。
遵法意識のかけらもない。
だが、そんなコイツに『ヤバい』と言わせるとは。
『毒蛇団』はかなり悪どい組織らしい。
まぁ、だからこそウルゴ陛下も俺に指令を出したのだろうが。
「『毒蛇団』のアジトはどこにある?」
「知らない。俺たちはスラムに住んでるが、アジトの場所なんて――」
ボコッ。
俺は男の腹を思いっきり蹴った。
「ぐえっ……」
「おいおい、嘘はよくないなぁ。同じスラムに住んでいて、知らないはずがないだろ?」
俺は笑顔を浮かべつつ、男を追い詰める。
貴族になったからには、人が言っていることの真偽を見抜く能力も問われるな。
関連ジョブを伸ばして尋問技術を高めたいところだが、肝心のジョブをまだ得ていない。
いや、尋問を実際に経験することで得られることもあるか。
グレイスに対して尋問をしたこともあるし、条件はいつ満たしてもおかしくない。
とりあえず、この男から正確な情報を引き出せるように頑張っていこう。
チンピラ3人に絡まれたので返り討ちにしてやった。
「さっき言った通り、俺は別にケンカしに来たわけじゃない。『毒蛇団』の情報を知りたいんだ。正直に答えてくれるとありがたい。そうすれば、見逃してやらんこともないぞ?」
まぁ、こいつらはこいつらで、貴族である俺に対する傷害未遂という罪はあるが。
細かいことはいいだろう。
悪名高い『毒蛇団』の殲滅が最優先だ。
こんなチンピラ程度に拘っている場合ではない。
「……分かった。降参だ」
男は観念したようだった。
「よし。じゃあ、質問に答えてもらおうか」
「お、俺たちは『毒蛇団』とは関係ねぇ。ただのスラムの住民だ」
「そうか。では、次の質問だ。『毒蛇団』の頭目の名前を知っているか?」
「頭目は『毒霧』のアルヴィンっていう名前だ」
「ほう」
まぁ、それぐらいは俺も知っているけどな。
尋問のコツは、最初から最重要な事項を聞き出そうとしないことだ。
最初はあえて遠回りをして、答えてくれそうなところから攻めていく。
そして、徐々に核心に近づいていく。
それが情報を引き出すための基本戦術なのだ。
「『毒蛇団』の構成員の知り合いはいるか?」
「いや、知らねぇ」
「んん? 知らないのか?」
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これは嘘ではないかもしれないな。
「あいつらはスラムでも有名な組織なんじゃないのか?」
「その通りだ。あいつらは本当にヤベエ。だから、関わらねぇようにしていたんだよ」
「ふむ……」
こいつはスラムに住むチンピラだ。
見るからに無法者だ。
実際、俺が貴族だと知りつつ、襲いかかってきた。
遵法意識のかけらもない。
だが、そんなコイツに『ヤバい』と言わせるとは。
『毒蛇団』はかなり悪どい組織らしい。
まぁ、だからこそウルゴ陛下も俺に指令を出したのだろうが。
「『毒蛇団』のアジトはどこにある?」
「知らない。俺たちはスラムに住んでるが、アジトの場所なんて――」
ボコッ。
俺は男の腹を思いっきり蹴った。
「ぐえっ……」
「おいおい、嘘はよくないなぁ。同じスラムに住んでいて、知らないはずがないだろ?」
俺は笑顔を浮かべつつ、男を追い詰める。
貴族になったからには、人が言っていることの真偽を見抜く能力も問われるな。
関連ジョブを伸ばして尋問技術を高めたいところだが、肝心のジョブをまだ得ていない。
いや、尋問を実際に経験することで得られることもあるか。
グレイスに対して尋問をしたこともあるし、条件はいつ満たしてもおかしくない。
とりあえず、この男から正確な情報を引き出せるように頑張っていこう。
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