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第5章
445話 スラムへ
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俺たち『悠久の風』は4つの班に分かれて行動を開始した。
俺は第4班として単独行動だ。
「さっそく、スラム街へ向かうか」
スラム街の中は薄暗い。
日当たりの悪い場所が多いのだ。
俺はそんな路地の中へと進んでいく。
しばらくすると、前方に複数の人の気配を感じ取った。
どうやら向こうもこちらの存在に気付いたようだ。
「おい、あいつは……」
「間違いねえ……。『悠久の風』の……」
「『悠久の風』のコウタじゃねぇか!」
「ひひっ。まさか、こんな場所で会うとはなぁ」
3人ともボロ切れのような服を身にまとっている。
見るからにスラムの住民だな。
「おう。いかにも、俺は『悠久の風』のリーダー、コウタ・エウロス男爵だ」
俺はとりあえずそう名乗っておく。
「くっくっく。不用心だなあ、お前さん。スラムに一人でノコノコやってくるなんてよぉ」
「ま、こっちとしては好都合だけどな」
「有り金全部置いてきな! そしたら命だけは見逃してやるぞ?」
男たちはニヤリと笑いながら、武器を構えた。
「断る。俺は別にケンカしにきたわけじゃないんだ。お前ら、『毒蛇団』という組織を知らないか?」
俺は単刀直入に切り出した。
「はあっ!?」
「知っていたら教えてくれ。そうすれば、命だけは見逃してやろう」
「ふざけんじゃねぇ!」
「舐めてんのか!」
「ぶっ殺す!」
俺の言葉に激高した3人は、一斉に襲いかかってきた。
交渉決裂か。
「しょうがないな。とりあえず、無力化してやるか」
こいつら自身が『毒蛇団』の構成員であれば、別にぶち殺してもいいのだが……。
現状ではまだ確信が持てない。
俺はまず、一番近くにいた男の足を蹴り払った。
「ぐわっ」
男が転倒する。
「この野郎!」
もう一人の男の攻撃を回避しつつ、その顔面を殴る。
「げふっ」
男は地面に倒れ伏した。
気絶させただけだ。
殺してはいない。
「クソが! てめぇ、よくも仲間を!」
最後の一人はナイフを取り出した。
そして、俺に向かって突き出してくる。
「おっと」
俺はそれを軽く回避し、相手の手首を掴んだ。
「うおおお!」
相手が強引に振りほどこうとする。
だが、俺の手を振り払うことはできない。
「悪いが、これで終わりだ」
俺は掴んでいた腕に力を込める。
ボキッ。
鈍い音が響いて、男の肘の関節が外れた。
「ぎゃああ!!」
悲鳴を上げて転げる男。
「まだやるか? これ以上続けるなら……次は折る」
俺は淡々と告げる。
「ひぃ……っ」
男はガタガタ震えている。
戦闘はこれでひと段落かな。
アクティブスキルを使うまでもないザコだった。
こいつらに聞き込みを続けてみよう。
俺は第4班として単独行動だ。
「さっそく、スラム街へ向かうか」
スラム街の中は薄暗い。
日当たりの悪い場所が多いのだ。
俺はそんな路地の中へと進んでいく。
しばらくすると、前方に複数の人の気配を感じ取った。
どうやら向こうもこちらの存在に気付いたようだ。
「おい、あいつは……」
「間違いねえ……。『悠久の風』の……」
「『悠久の風』のコウタじゃねぇか!」
「ひひっ。まさか、こんな場所で会うとはなぁ」
3人ともボロ切れのような服を身にまとっている。
見るからにスラムの住民だな。
「おう。いかにも、俺は『悠久の風』のリーダー、コウタ・エウロス男爵だ」
俺はとりあえずそう名乗っておく。
「くっくっく。不用心だなあ、お前さん。スラムに一人でノコノコやってくるなんてよぉ」
「ま、こっちとしては好都合だけどな」
「有り金全部置いてきな! そしたら命だけは見逃してやるぞ?」
男たちはニヤリと笑いながら、武器を構えた。
「断る。俺は別にケンカしにきたわけじゃないんだ。お前ら、『毒蛇団』という組織を知らないか?」
俺は単刀直入に切り出した。
「はあっ!?」
「知っていたら教えてくれ。そうすれば、命だけは見逃してやろう」
「ふざけんじゃねぇ!」
「舐めてんのか!」
「ぶっ殺す!」
俺の言葉に激高した3人は、一斉に襲いかかってきた。
交渉決裂か。
「しょうがないな。とりあえず、無力化してやるか」
こいつら自身が『毒蛇団』の構成員であれば、別にぶち殺してもいいのだが……。
現状ではまだ確信が持てない。
俺はまず、一番近くにいた男の足を蹴り払った。
「ぐわっ」
男が転倒する。
「この野郎!」
もう一人の男の攻撃を回避しつつ、その顔面を殴る。
「げふっ」
男は地面に倒れ伏した。
気絶させただけだ。
殺してはいない。
「クソが! てめぇ、よくも仲間を!」
最後の一人はナイフを取り出した。
そして、俺に向かって突き出してくる。
「おっと」
俺はそれを軽く回避し、相手の手首を掴んだ。
「うおおお!」
相手が強引に振りほどこうとする。
だが、俺の手を振り払うことはできない。
「悪いが、これで終わりだ」
俺は掴んでいた腕に力を込める。
ボキッ。
鈍い音が響いて、男の肘の関節が外れた。
「ぎゃああ!!」
悲鳴を上げて転げる男。
「まだやるか? これ以上続けるなら……次は折る」
俺は淡々と告げる。
「ひぃ……っ」
男はガタガタ震えている。
戦闘はこれでひと段落かな。
アクティブスキルを使うまでもないザコだった。
こいつらに聞き込みを続けてみよう。
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