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第5章
423話 メモの作成者
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風邪で寝込んでいる日の夜――
「ん……。腹が減ったな……」
空腹を感じて目を覚ましてしまう。
窓の外は真っ暗だ。
どう見ても深夜である。
「何か食べなければならんか……」
朝まで寝たいところだが、腹が減って寝付くどころではない。
それに、風邪を治すためにも空腹感を覚えている間に栄養をとっておいた方がいい。
ベッドから起き上がろうとしたところで――
「うぐっ……」
強烈な頭痛に襲われてしまった。
「痛てぇ……」
各種のチートを持ち、強靭な肉体を持つ俺でも、病気には勝てない。
多少の冷気ならまだしも、シルヴィの『絶対零度』をまともにくらってしまったしな。
もう少し静養が必要だ。
だが、空腹感も強い。
「はぁ……。こんな夜更けに、誰かを起こして料理を作らせるのも悪いしなぁ……」
俺はそう呟く。
今や『悠久の風』は、10人を超える大所帯パーティだ。
しかし、それぞれの生活リズムはほぼ共通している。
朝に弱い者、夜に早く寝る者、休日は昼寝三昧を楽しむ者など、多少の睡眠嗜好はある。
だが、さすがにこんな深夜では誰も起きていない。
(ヴァンパイアやワーウルフでも仲間にしていれば良かったか……)
この世界ではまだお目にかかれていないが、MSCではそのような種族も存在していた。
魔物や魔獣の一種ではなく、ドワーフ、エルフ、獣人と並ぶような人間の友好種族である。
「ん?」
俺はベッドの横に置いてあるテーブルに目を向けた。
そこには、小さなメモ用紙が置かれている。
その紙片を手に取ってみると――
『体調が悪化した場合は赤の魔道具を、空腹の場合は青の魔道具を押してください』
そんな文字が書かれていた。
「なるほどな。俺やシルヴィのためにわざわざ……」
メモに名前は書いていない。
このメモの作成者は誰だろう?
(俺に丁寧語で話しかけるのは……)
シルヴィは俺と同じく風邪をひいており、隣で寝ている。
となると、エメラダかネリスあたりだろう。
ミナ、ローズ、セリアも丁寧語ではあるが、それぞれやや独特な言葉遣いが混ざっているからな。
ちなみにユヅキ、リン、ティータ、グレイス、ミルキーはタメ口だ。
(いや、メモに書く際には標準的な丁寧語になるのか?)
例えばセリアが普段の口調でこのメモを書くでのあれば、末尾が『押してくださいにゃ』とでもなりそうなものだが。
さすがにそれはないだろう。
そこまで考え始めると、このメモの作成者を絞りきれない。
「まぁいい。押してみればわかることだ」
俺は早速、青の魔道具を押す。
そして、誰かが来てくれるのを待つのだった。
「ん……。腹が減ったな……」
空腹を感じて目を覚ましてしまう。
窓の外は真っ暗だ。
どう見ても深夜である。
「何か食べなければならんか……」
朝まで寝たいところだが、腹が減って寝付くどころではない。
それに、風邪を治すためにも空腹感を覚えている間に栄養をとっておいた方がいい。
ベッドから起き上がろうとしたところで――
「うぐっ……」
強烈な頭痛に襲われてしまった。
「痛てぇ……」
各種のチートを持ち、強靭な肉体を持つ俺でも、病気には勝てない。
多少の冷気ならまだしも、シルヴィの『絶対零度』をまともにくらってしまったしな。
もう少し静養が必要だ。
だが、空腹感も強い。
「はぁ……。こんな夜更けに、誰かを起こして料理を作らせるのも悪いしなぁ……」
俺はそう呟く。
今や『悠久の風』は、10人を超える大所帯パーティだ。
しかし、それぞれの生活リズムはほぼ共通している。
朝に弱い者、夜に早く寝る者、休日は昼寝三昧を楽しむ者など、多少の睡眠嗜好はある。
だが、さすがにこんな深夜では誰も起きていない。
(ヴァンパイアやワーウルフでも仲間にしていれば良かったか……)
この世界ではまだお目にかかれていないが、MSCではそのような種族も存在していた。
魔物や魔獣の一種ではなく、ドワーフ、エルフ、獣人と並ぶような人間の友好種族である。
「ん?」
俺はベッドの横に置いてあるテーブルに目を向けた。
そこには、小さなメモ用紙が置かれている。
その紙片を手に取ってみると――
『体調が悪化した場合は赤の魔道具を、空腹の場合は青の魔道具を押してください』
そんな文字が書かれていた。
「なるほどな。俺やシルヴィのためにわざわざ……」
メモに名前は書いていない。
このメモの作成者は誰だろう?
(俺に丁寧語で話しかけるのは……)
シルヴィは俺と同じく風邪をひいており、隣で寝ている。
となると、エメラダかネリスあたりだろう。
ミナ、ローズ、セリアも丁寧語ではあるが、それぞれやや独特な言葉遣いが混ざっているからな。
ちなみにユヅキ、リン、ティータ、グレイス、ミルキーはタメ口だ。
(いや、メモに書く際には標準的な丁寧語になるのか?)
例えばセリアが普段の口調でこのメモを書くでのあれば、末尾が『押してくださいにゃ』とでもなりそうなものだが。
さすがにそれはないだろう。
そこまで考え始めると、このメモの作成者を絞りきれない。
「まぁいい。押してみればわかることだ」
俺は早速、青の魔道具を押す。
そして、誰かが来てくれるのを待つのだった。
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