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第5章

404話 従姉妹の2人のケンカ

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 俺が朝っぱらからミルキーと致そうとしていたところ、乱入者が現れた。

「おはようなのです。コウタくん、それにミルキーさ……」

 部屋に入ってきたのは、俺のハーレムメンバーの1人であるミナだった。
 しかし、彼女は部屋の中にいるミルキーの姿を見るなり固まる。

「こ、これは一体どういうことなのです!?」

 驚愕の表情を浮かべながら叫ぶ。
 俺はため息を吐きつつ、彼女に声をかける。

「……ノックくらいしたらどうだ?」

「は? ……はぁっ!? なんで平然としているのです!」

 ミナは顔を真っ赤にして怒鳴り散らしてきた。
 俺は冷静に対応する。

「そう興奮するな。ミルキーは俺の恋人になったんだよ」

「こいびとぉ……?」

「ああ」

「ミルキーさんとコウタくんが、恋人に……」

「そうだよ」

「そんな……。バカな……なのです」

 ミナは驚いている様子だ。

「どうしたんだよ? 昨日、ちゃんとそういう話になったじゃないか」

「でも、さすがに手が早すぎるのです。てっきり、キスをするぐらいまでかと……」

「まぁ、いろいろとあってな……」

 俺は頭を掻く。
 すると、ミルキーが体を起こした。

「おう、ミナ。おはよーさん!」

 ミルキーは元気いっぱいに挨拶する。

「あ……。おはようございます、なのですよ」

「なんだ? 変な顔して。アタシの顔になんかついてるか?」

「い、いえ……。なんだか大人っぽくなった気がするのですよ」

「そうかな?」

「はい。とっても綺麗に見えるのです」

「えへへ……。ありがとうな、ミナ!」

 ミルキーは嬉しそうな顔をした。
 従姉妹同士、仲は良好のようだ。
 俺は胸をなでおろす。

 と、そのときだった。
 2人が同時に俺の方を向いた。

「な、なんだ?」

 2人の目が据わっている。

「コウタくん、ミルキーさんとはどこまでいったんですか?」

「んー、まぁいろいろ?」

「いろいろって何なのです!?」

「まぁ、それはだな……」

 俺はミナの勢いに気圧され、言い淀んでしまう。

「コウタ坊! ミナとはもういろんなことをしてるんだろ?」

「そうだなぁ。大抵のことは……」

 ジョブの特殊な取得方法との兼ね合いもあるし、かなり変わったプレイまで行っている。
 だが、それを正直に言うべきかどうか。
 なんだか、不穏な空気を感じるのだ。

「ミナにやったことを、アタシにもしてくれよ。コウタ坊のためなら、なんだってやるよ」

「新参のミルキーさんに無理はさせられないのです。ここはボクが!」

「大丈夫だって。コウタ坊のために頑張れるぜ。それに、ミナの体にはそろそろ飽きてきたんじゃないか?」

「なっ!? そ、それを言うなら、ボクより年上のくせにずっと処女だったミルキーさんこそ、大したテクニックは持っていないのではないのです!?」

「はぁ? お前だって似たようなもんだろうが!」

「ボクはコウタくん一筋なだけなのです!」

「おい、ちょっと待て。朝っぱらからケンカは止めてくれよ」

 俺は慌てて止める。
 ハーレムメンバー同士の仲違いには気を配ってきたつもりだった。
 今まで、日常生活上の口論くらいはあれど、本格的なケンカはなかった。

(よりによって、従姉妹の2人がケンカとは……)

 いや、従姉妹だからこそか?
 こうして、俺は朝からちょっとした災難に見舞われてしまったのだった。
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