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第5章
400話 人生の目標
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ミルキーに大切なことを伝え忘れていた。
俺が男爵位を授かり、貴族になったことだ。
これを最初から伝えていれば、もう少しすんなりと事が進んだかもしれない。
男爵位のことを伝えていない時点でもミルキーが俺の誘いを了承してくれたのは、嬉しく思ったが。
「マ、マジかよ……。コウタ坊が、貴族に……?」
「おう。コウタ・エウロス男爵だな」
「男爵……。確か、世襲可能なやつだよな? 冒険者から貴族になった前例は聞いたことがあるが、ほとんどが騎士爵だったはず……」
ミルキーが呆然と呟く。
鍛冶のことばかり考えている職人タイプだと思っていたが、結構知っているじゃないか。
「その通りだ。俺の正妻の長男は男爵位を次ぐことになるな。まぁ、正妻はおそらく子爵家令嬢のローズになるかと思うが……」
出会った順番や戦闘能力、俺への思いの強さを考えるなら、シルヴィが正妻になる可能性もなくはない。
だが、貴族家としてさらなる成り上がりを狙うなら、奴隷のシルヴィはやや不適切だろう。
奴隷身分から解放したとしても、結局は元の身分である平民に戻るだけだ。
男爵家当主の俺の正妻としては、見劣りする立場になってしまう。
シルヴィだけでなく、ユヅキ、ミナ、リンあたりも同じようなイメージだ。
彼女たちには申し訳ないが、ここはローズを正妻にする方向性で進めるしかない。
このあたりは、これまでにも相談済みだ。
なにせ、当初は俺がローズの実家のアイゼンシュタイン子爵家に婿入りする予定だったぐらいだし。
「コウタ坊……。いや、コウタ様……エウロス男爵様? 不敬にならない呼び方は……」
ミルキーは混乱しているようだ。
自分ではガサツだと言っていたが、ちゃんとこういうことも考えられるんじゃないか。
「今まで通りにしてくれて構わない。公の場を除けば、俺はただの冒険者で、ミルキーは鍛冶師だ。俺と君の間に上下関係なんてない」
「そ、そうか……。じゃあ、いつものように呼ぶぜ」
「ああ」
俺は微笑む。
「しかし、まさかコウタ坊が貴族になるとはなぁ……。驚きだぜ」
「そうだな。冒険者として生きるつもりだったから、正直に言うと戸惑いはある。だが、結局のところ目標は変わらないからな」
「目標って?」
「決まってるだろ? ミルキーのように魅力的な女の子に囲まれて、酒池肉林のハーレム生活を送ることさ!」
俺は胸を張って宣言する。
世界滅亡の危機を回避するという目的もあるが、それはあくまで副次的なものにすぎない。
俺の人生の目標は、女性に囲まれた幸せな生活なのだ。
「…………。相変わらずだな」
「それが俺だからな」
「そうかよ」
ミルキーは苦笑しながら言ったのだった。
俺が男爵位を授かり、貴族になったことだ。
これを最初から伝えていれば、もう少しすんなりと事が進んだかもしれない。
男爵位のことを伝えていない時点でもミルキーが俺の誘いを了承してくれたのは、嬉しく思ったが。
「マ、マジかよ……。コウタ坊が、貴族に……?」
「おう。コウタ・エウロス男爵だな」
「男爵……。確か、世襲可能なやつだよな? 冒険者から貴族になった前例は聞いたことがあるが、ほとんどが騎士爵だったはず……」
ミルキーが呆然と呟く。
鍛冶のことばかり考えている職人タイプだと思っていたが、結構知っているじゃないか。
「その通りだ。俺の正妻の長男は男爵位を次ぐことになるな。まぁ、正妻はおそらく子爵家令嬢のローズになるかと思うが……」
出会った順番や戦闘能力、俺への思いの強さを考えるなら、シルヴィが正妻になる可能性もなくはない。
だが、貴族家としてさらなる成り上がりを狙うなら、奴隷のシルヴィはやや不適切だろう。
奴隷身分から解放したとしても、結局は元の身分である平民に戻るだけだ。
男爵家当主の俺の正妻としては、見劣りする立場になってしまう。
シルヴィだけでなく、ユヅキ、ミナ、リンあたりも同じようなイメージだ。
彼女たちには申し訳ないが、ここはローズを正妻にする方向性で進めるしかない。
このあたりは、これまでにも相談済みだ。
なにせ、当初は俺がローズの実家のアイゼンシュタイン子爵家に婿入りする予定だったぐらいだし。
「コウタ坊……。いや、コウタ様……エウロス男爵様? 不敬にならない呼び方は……」
ミルキーは混乱しているようだ。
自分ではガサツだと言っていたが、ちゃんとこういうことも考えられるんじゃないか。
「今まで通りにしてくれて構わない。公の場を除けば、俺はただの冒険者で、ミルキーは鍛冶師だ。俺と君の間に上下関係なんてない」
「そ、そうか……。じゃあ、いつものように呼ぶぜ」
「ああ」
俺は微笑む。
「しかし、まさかコウタ坊が貴族になるとはなぁ……。驚きだぜ」
「そうだな。冒険者として生きるつもりだったから、正直に言うと戸惑いはある。だが、結局のところ目標は変わらないからな」
「目標って?」
「決まってるだろ? ミルキーのように魅力的な女の子に囲まれて、酒池肉林のハーレム生活を送ることさ!」
俺は胸を張って宣言する。
世界滅亡の危機を回避するという目的もあるが、それはあくまで副次的なものにすぎない。
俺の人生の目標は、女性に囲まれた幸せな生活なのだ。
「…………。相変わらずだな」
「それが俺だからな」
「そうかよ」
ミルキーは苦笑しながら言ったのだった。
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