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第5章
393話 とっておきの秘策
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武具の納期を短縮するには、人手の問題を解決する必要がある。
俺たち『悠久の風』が総出で手伝うという話が持ち上がったが、『素人集団では簡単な手伝いくらいしかできない』とミルキーに指摘されてしまった。
「それが違うんだなぁ」
「はぁ? 何が違うってんだよ? 鍛冶師のジョブを得ること自体はそんなに大変じゃないが、ジョブレベルを上げるにはちゃんと鍛冶師として働いていく必要があるよ」
ミルキーが怪しむように言う。
「いや、俺たち『悠久の風』は一流の冒険者パーティだろ? 当然、普段の狩りでも上級の魔物を狩ることができる」
「そうだな」
「なら、その狩りでジョブレベルを上げればいいんだ。初期レベルからなら、ガンガン上げられると思う」
「なるほど。そういうことか! アタシは鍛冶ばかりしてたから、盲点だったよ」
ミルキーがそう言う。
まぁ、普通に考えて、魔物狩りをして鍛冶が上手くなるはずがないもんな。
この世界のジョブという仕組み上、本来はそれも可能なのだ。
しかし、普通に鍛冶行為をすることでもジョブレベルは上がる。
ミルキーのように生産系一本で働いている者は、魔物狩りでジョブレベルを上げるという発想自体を忘れてしまっても仕方がない。
「なるほどですにゃ。それなら、私でも鍛冶で貢献できるかもしれませんにゃ」
セリアがそう言ってくれる。
「ああ。みんなでミナとミルキーのサポートをしていこう」
俺はそうまとめる。
「コウタくん」
「ん? どうした? ミナ」
「みんなが『鍛冶師』のジョブを得れば、確かに雑用以上の手伝いも可能だと思うのです。でも、結局のところ仕上げは『聖鍛冶師』のボクが行うことになるのです。ミルキーさんは……」
「アタシもそこそこ程度の武具の仕上げはできるけどよ。さすがにミスリルを仕上げるには力不足かもな。ミナには申し訳ないが、納期短縮のためには、結局のところミナの頑張りが大切だと思う」
ミルキーがそう言った。
「いえ、いいのです。ボクはコウタくんの役に立てるだけでも幸せなのです」
ミナが笑顔で言う。
彼女は、俺に可愛がられることで幸せを感じてくれているようだ。
「ミナは優しいな」
俺はミナの頭を撫でる。
「えへへ、なのです」
「だが、ミナにばかり負担は掛けさせられない」
「でも……」
「俺に考えがあるんだ。今夜、ミルキーと二人きりにさせてもらえないだろうか?」
俺はそう切り出す。
とっておきの秘策がある。
これは、武具の納期短縮にも繋がるし、『悠久の風』のパーティ人員の拡張にも繋がりうる話だ。
「へ? ……ああ、そういうことなのですか。ついに、ミルキーさんもコウタくんに……」
「ん? 何の話だよ?」
ミルキーが首を傾ける。
「細かいことは気にするな。とりあえず今夜、ここに俺1人で来るから」
「よくわからねぇが、了解したぜ。変なことはするなよ?」
「ああ、もちろんさ」
こうして、俺たち『悠久の風』の武具新調の件の打ち合わせは、ひとまず終わったのだった。
俺たち『悠久の風』が総出で手伝うという話が持ち上がったが、『素人集団では簡単な手伝いくらいしかできない』とミルキーに指摘されてしまった。
「それが違うんだなぁ」
「はぁ? 何が違うってんだよ? 鍛冶師のジョブを得ること自体はそんなに大変じゃないが、ジョブレベルを上げるにはちゃんと鍛冶師として働いていく必要があるよ」
ミルキーが怪しむように言う。
「いや、俺たち『悠久の風』は一流の冒険者パーティだろ? 当然、普段の狩りでも上級の魔物を狩ることができる」
「そうだな」
「なら、その狩りでジョブレベルを上げればいいんだ。初期レベルからなら、ガンガン上げられると思う」
「なるほど。そういうことか! アタシは鍛冶ばかりしてたから、盲点だったよ」
ミルキーがそう言う。
まぁ、普通に考えて、魔物狩りをして鍛冶が上手くなるはずがないもんな。
この世界のジョブという仕組み上、本来はそれも可能なのだ。
しかし、普通に鍛冶行為をすることでもジョブレベルは上がる。
ミルキーのように生産系一本で働いている者は、魔物狩りでジョブレベルを上げるという発想自体を忘れてしまっても仕方がない。
「なるほどですにゃ。それなら、私でも鍛冶で貢献できるかもしれませんにゃ」
セリアがそう言ってくれる。
「ああ。みんなでミナとミルキーのサポートをしていこう」
俺はそうまとめる。
「コウタくん」
「ん? どうした? ミナ」
「みんなが『鍛冶師』のジョブを得れば、確かに雑用以上の手伝いも可能だと思うのです。でも、結局のところ仕上げは『聖鍛冶師』のボクが行うことになるのです。ミルキーさんは……」
「アタシもそこそこ程度の武具の仕上げはできるけどよ。さすがにミスリルを仕上げるには力不足かもな。ミナには申し訳ないが、納期短縮のためには、結局のところミナの頑張りが大切だと思う」
ミルキーがそう言った。
「いえ、いいのです。ボクはコウタくんの役に立てるだけでも幸せなのです」
ミナが笑顔で言う。
彼女は、俺に可愛がられることで幸せを感じてくれているようだ。
「ミナは優しいな」
俺はミナの頭を撫でる。
「えへへ、なのです」
「だが、ミナにばかり負担は掛けさせられない」
「でも……」
「俺に考えがあるんだ。今夜、ミルキーと二人きりにさせてもらえないだろうか?」
俺はそう切り出す。
とっておきの秘策がある。
これは、武具の納期短縮にも繋がるし、『悠久の風』のパーティ人員の拡張にも繋がりうる話だ。
「へ? ……ああ、そういうことなのですか。ついに、ミルキーさんもコウタくんに……」
「ん? 何の話だよ?」
ミルキーが首を傾ける。
「細かいことは気にするな。とりあえず今夜、ここに俺1人で来るから」
「よくわからねぇが、了解したぜ。変なことはするなよ?」
「ああ、もちろんさ」
こうして、俺たち『悠久の風』の武具新調の件の打ち合わせは、ひとまず終わったのだった。
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