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第5章

378話 最後の記念撮影

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 哀れな赤狐族の少女の受難が続いている。
 彼女は服と下着を剥ぎ取られ、生まれたままの姿になっていた。
 抵抗しようにも、両手両足をそれぞれ押さえつけられているため、ほとんど身動きができない。

「いい眺めだぜ。へへっ」

「そうだな。おっぱいは小さいけど、この膨らみかけがたまらんぜ」

「やめてください……。もう許してくださいぃ……」

「まだ分かってねぇのか。お前はこれから殺処分されるんだよ。その前に、俺たちで楽しもうってわけだ」

「やだぁ……」

 少女は涙目になって首を振る。

「泣いてんじゃねえよ。泣けば済むと思ってやがる」

「泣いても無駄だって教えてやるよ」

「殺処分が確定している奴隷で楽しめる機会なんざ、滅多にねえ。ある意味、ラッキーかもな」

 男たちは好き勝手に喋っている。

「さて、まずはどうするか。やっぱりまずは味見かな?」

「いや、その前に記録を残させてくれ。俺のコレクションに加えたい」

「出た出た。お前も物好きだよなぁ。大枚はたいてそんな魔道具を買うとは」

「へっへっへっ。いいだろう? 俺はこいつを、一生をかけて愛し続けるつもりだからな。写真の中で」

「けっ。変態が」

「まあいい。記録を残すなら、早くしろよ」

「おう」

 男は懐から小型の魔道具を取り出す。
 これは、地球で言うところのカメラに近いものだ。
 ただしその性能はお粗末なもので、画質も悪い。

 魔道具自体が高価なこともあり、こうして撮影した写真を保管したり、あるいは販売したりする文化はまだ根付いていない。
 この男のように個人が魔道具を持っているのは珍しいことだ。

「よし、それじゃあ、記念すべき最初のシーンだ。お前ら、そのまま手足を押さえてろよ」

「分かった」

「ああ」

 男たちは少女の手足を完全に固定した。
 少女は恐怖に震えているようだ。

「へへっ。いい顔してんじゃねえか。興奮してきたぜぇ……」

 男が舌なめずりをする。
 少女は泣きそうな表情をしている。

「さあ、撮るぞぉ……。いいか? 3・2・1……」

 カシャッという音が響いた。

「へへっ。上手く撮れたぜ」

「どれ、見せろよ」

「おお、これはいい」

「だろ?」

「ああ。こういうのも悪くないかもしれん」

 男が撮った写真は好評のようだ。
 一方の少女は、自分が何をされたか分かっていない。
 しかし、雰囲気で何か良くないことをされたことだけは理解できたらしい。

「な、何を……?」

「へへ。本人にも見せてやるか。ほら、これだよ」

 そう言って、男は写真を少女に見せつける。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 自分の裸の写真を見せられたことで、ようやく状況を察した少女が絶叫したのだった。
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