372 / 1,331
第5章
372話 セリアは既に俺の女だ
しおりを挟む
「最後に、セリア。お前さんも同じくCランクだ。受付嬢を辞めるからには、『悠久の風』の一員として頑張ってくれよ」
ギルドマスターがセリアに向かってそう告げる。
「もちろんですにゃ。よろしくお願いしますにゃ」
セリアが笑顔でギルドマスターに応える。
受付嬢は主に事務処理を行うのが仕事だが、それ以外にも仕事がある。
例えば、今回の俺たちのように、迷宮内で行方不明になった者の捜索などだ。
それに備えて、最低限の戦闘能力は持っていることを推奨される。
セリアの場合は、受付嬢であると同時に、Dランク冒険者としても認められていたそうだ。
それが今回、Cランクに上がったことになる。
「おめでとう、セリア。そして、改めて歓迎しよう」
俺は彼女を抱擁し、祝福した。
「ありがとうございますにゃ、コウタさん。これから精一杯頑張りますにゃ!」
セリアが俺の抱擁を受け入れ、強く抱きしめ返してくれる。
「ああ。期待している」
「はいにゃ!」
「……お前さんたち、そういう仲だったのか? いつの間に……」
ギルドマスターが呆れ顔で言う。
「まぁな。セリアとは恋人同士だ。彼女が俺たちの捜索に来てくれたときに仲良くなったのさ」
「はいにゃ」
俺とセリアは、それぞれ腕を組んで寄り添う。
「……つい最近じゃないか。手が早いな。ここを拠点とする冒険者には、セリアのファンも多かったのだが……」
「どうせ受付嬢も引退するし、関係ないだろう。セリアは既に俺の女だ。誰にも渡さん」
俺はそう言いつつ、彼女の胸を揉む。
「にゃんっ。もう、コウタさんったら……。こんなところでダメですにゃ……。みんな見てますにゃん」
「ここには俺たちしかいないし、別にいいだろ」
「いや、俺もいるのだが……」
ギルドマスターが気まずそうな表情をする。
「ああ、すまない。あんたのことを忘れていた」
「おい」
「冗談だ。それで、ギルドマスター。話を戻そう。俺たちの個人ランクは全て聞き終えたな」
俺が条件付きAランク。
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズがBランク。
グレイス、エメラダ、セリアがCランクだ。
「うむ。全員がCランク以上の10人パーティで、リーダーはAランク。なかなかいないパーティだぞ」
「だろうね」
人数が多いだけのパーティなら存在する。
個人ランクがCランク以上の者も、国や大陸規模で見れば数え切れないほどいる。
だが、Cランク以上の者が10人集って長期間同じパーティで活動することはほとんどない。
なぜなら、それだけの人数を長期間に渡って維持するのは難しいからだ。
高ランク冒険者を束ねるには、相応のリーダシップが必要だ。
だから、Cランク以上が10人も集まったパーティというのは本当に少ない。
「これでお前さんたちの活躍が保証されたわけだ。さて、ここからが本題なのだが……」
ギルドマスターは少しだけ真面目な雰囲気を出し、話を続けるのだった。
ギルドマスターがセリアに向かってそう告げる。
「もちろんですにゃ。よろしくお願いしますにゃ」
セリアが笑顔でギルドマスターに応える。
受付嬢は主に事務処理を行うのが仕事だが、それ以外にも仕事がある。
例えば、今回の俺たちのように、迷宮内で行方不明になった者の捜索などだ。
それに備えて、最低限の戦闘能力は持っていることを推奨される。
セリアの場合は、受付嬢であると同時に、Dランク冒険者としても認められていたそうだ。
それが今回、Cランクに上がったことになる。
「おめでとう、セリア。そして、改めて歓迎しよう」
俺は彼女を抱擁し、祝福した。
「ありがとうございますにゃ、コウタさん。これから精一杯頑張りますにゃ!」
セリアが俺の抱擁を受け入れ、強く抱きしめ返してくれる。
「ああ。期待している」
「はいにゃ!」
「……お前さんたち、そういう仲だったのか? いつの間に……」
ギルドマスターが呆れ顔で言う。
「まぁな。セリアとは恋人同士だ。彼女が俺たちの捜索に来てくれたときに仲良くなったのさ」
「はいにゃ」
俺とセリアは、それぞれ腕を組んで寄り添う。
「……つい最近じゃないか。手が早いな。ここを拠点とする冒険者には、セリアのファンも多かったのだが……」
「どうせ受付嬢も引退するし、関係ないだろう。セリアは既に俺の女だ。誰にも渡さん」
俺はそう言いつつ、彼女の胸を揉む。
「にゃんっ。もう、コウタさんったら……。こんなところでダメですにゃ……。みんな見てますにゃん」
「ここには俺たちしかいないし、別にいいだろ」
「いや、俺もいるのだが……」
ギルドマスターが気まずそうな表情をする。
「ああ、すまない。あんたのことを忘れていた」
「おい」
「冗談だ。それで、ギルドマスター。話を戻そう。俺たちの個人ランクは全て聞き終えたな」
俺が条件付きAランク。
シルヴィ、ユヅキ、ミナ、リン、ティータ、ローズがBランク。
グレイス、エメラダ、セリアがCランクだ。
「うむ。全員がCランク以上の10人パーティで、リーダーはAランク。なかなかいないパーティだぞ」
「だろうね」
人数が多いだけのパーティなら存在する。
個人ランクがCランク以上の者も、国や大陸規模で見れば数え切れないほどいる。
だが、Cランク以上の者が10人集って長期間同じパーティで活動することはほとんどない。
なぜなら、それだけの人数を長期間に渡って維持するのは難しいからだ。
高ランク冒険者を束ねるには、相応のリーダシップが必要だ。
だから、Cランク以上が10人も集まったパーティというのは本当に少ない。
「これでお前さんたちの活躍が保証されたわけだ。さて、ここからが本題なのだが……」
ギルドマスターは少しだけ真面目な雰囲気を出し、話を続けるのだった。
17
お気に入りに追加
1,096
あなたにおすすめの小説

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

異世界に飛ばされたら守護霊として八百万の神々も何故か付いてきた。
いけお
ファンタジー
仕事からの帰宅途中に突如足元に出来た穴に落ちて目が覚めるとそこは異世界でした。
元の世界に戻れないと言うので諦めて細々と身の丈に合った生活をして過ごそうと思っていたのに心配性な方々が守護霊として付いてきた所為で静かな暮らしになりそうもありません。
登場してくる神の性格などでツッコミや苦情等出るかと思いますが、こんな神様達が居たっていいじゃないかと大目に見てください。
追記 小説家になろう ツギクル でも投稿しております。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる